テロ対策に非常に真剣にならざるを得ないこの世の中、自分の国が厳しい監視社会で当局も怖いとわかっているなら、この手のジョークが禁忌であるとは思わなかったのだろうか。中国である男が「イスラム国(IS)」に関するジョークを放って投獄された。厳しいことに懲役9か月の実刑判決を言い渡されたという。
事件が起きたのは北京市昌平区にある賃貸のアパートで2016年9月4日夜のこと。『WeChat』のあるグループに、Zhang Qiang(仮名=31)という出稼ぎ労働者が意外な写真とともに参加した。それはイスラム過激派組織「アルカイダ」の司令塔であったウサマ・ビンラディン。「おっ、スゴイ男が入ってきたな」というメンバーの反応に調子づいたZhangは、「君たちもISに入らないか?」というジョークを放ったのだ。
メンバーがこれにドン引きして退散したためチャットはそこで終了したが、その約1か月後という10月13日、Zhangは「反テロ法違反」容疑につき昌平区公安局により逮捕されてしまった。携帯電話とコンピュータが押収され、怪しいデータは何も保存されていなかったにもかかわらずZhangは起訴されてしまった。『WeChat』で放ったIS勧誘のジョークだけが理由だという。