今月12日にニューヨークの国連本部で開幕した第72回国連総会で、世界中から嘲笑と非難を集めた人物がいた。アゼルバイジャン共和国大統領の娘が、自国の大量虐殺の悲劇について語る父の演説中に傍聴席でおどけた表情を作り、セルフィーを撮っていたのだ。その様子は各国で放送され、ネット上からも批判の声があがっている。『New York Post』『Mirror』などが伝えた。
国連総会で各首脳が国内外の問題について発表を行う一般討論演説が、米ニューヨークで行われた。その厳粛な場でアゼルバイジャン共和国のイルハム・アリエフ(Ilham Aliyev、55)大統領が演説を行った。
南西アジアに位置するアゼルバイジャン共和国は、西はアルメニア共和国、東はカスピ海に面する。アリエフ大統領はアゼルバイジャンとアルメニアの間の民族紛争であるナゴルノ・カラバフ紛争で、1992年にアルメニア人によって大量虐殺が行われたことを演説していた。大統領である父がこのような深刻な話をしている最中に娘のレイラ・アリエヴァさん(Leyla Aliyeva、33)は、傍聴席で口を真一文字にしたり驚いたような表情をしてセルフィーを楽しんでいたのだ。
母親で同国第一副大統領のメフリバン・アリエヴァさん(Mehriban Aliyeva、53)はレイラさんのすぐ横の席に座っているものの、彼女の行動に気付かないのか特に止める気配もない。大統領の演説が始まって2分ほど経った頃にカメラに収められたレイラさんの失態は、そのままライブ配信され世界各国のテレビで放送された。