米アイオワ州で、深刻なうつ病を患う16歳の少女が美容室を訪れ、13時間後に驚くべき変身を遂げた。その様子を女性美容師が自身のFacebookに投稿したところ大きな反響を呼んでいる。英メディア『Metro』などが伝えた。
アイオワ州ウォータールーに住み、カプリ大学で美容学を学ぶ見習い美容師ケイリー・オルソンさん(20歳)は8月7日、学校内のサロンに来店した16歳の少女(名前は明かされていない)の髪を担当した。
その少女は何年も深刻なうつ病に悩まされており、トイレに行く時以外はベッドの上で過ごす生活を送っていたようだ。梳かす気力さえなかった少女の髪は、固まって酷い状態になっていた。
8日から新学期が始まる少女は、学校での写真撮影をしなければならないということで勇気を振り絞ってサロンを訪れたようだ。しかし少女が「これだけ絡まった髪を梳くのは痛すぎるから、全部剃ってほしい。私はどうせ(綺麗にする)価値のない人間だから」と発した言葉に、ケイリーさんは心を締め付けられる思いがした。
そこで同僚のマライア・ウェンガーさんと、少女の髪を切らずに綺麗に仕上げることにベストを尽くそうと決心した。ケイリーさんは「なんとかして彼女を助けてあげたいと思いました。私も辛かった時に救われたことがあります。みな、誰でも美しさを感じる価値はあるのです」と話し、2児の母マライアさんは「私も産後うつや不安症を抱えていて、葛藤する日々を過ごしていました。自分が価値のない人間だと思ったこともあります。だから彼女の気持ちが痛いほどわかりました」と語っている。
しかし固まった髪をほぐすことは容易ではなかった。ケイリーさんとマライアさんは7日には8時間、その翌日には5時間という合計13時間かけて少女の髪を仕上げ、ケイリーさんはそのビフォー&アフター写真を自身のFacebookに投稿し、このように綴った。
「精神の病は、どこの誰にでも年齢関係なく起こるものです。子供がうつになってしまったら両親は真剣に受け止めて、決して子供にプレッシャーを与えたりしないでほしい。子供たちは自分の髪を梳くのも億劫になってしまうほど、『自分は価値のない人間だ』と感じるべきじゃないのです。」