“危険と背中合わせの職業”を思い浮かべた時、オフィスでの仕事を想像する人はまずないだろう。しかしインドのある庁舎では、職員がヘルメットを被って仕事をしているという。職場で身の危険を感じなければならない理由とはいったい何なのか。『Oddity Central』や『The Indian Express』、『Hindustan Times』が伝えている。
ビハール州イースト・チャンパラン地区のアレラージにある庁舎では、職員らがバイク用のヘルメットを被ってデスクワークを強いられている。その動画がインドのソーシャルメディアで拡散したことで今回、内情が明らかとなった。
老朽化した建物内で勤務している職員らは、ひび割れた壁や穴の開いた天井がいつ剥がれ落ちてくるか分からないという状況にあり、身の危険から守るために日々ヘルメットを着用しなければならないそうだ。2年前に建築部署から「この建物は使用に適さない」と通告を受けたにもかかわらず行政機関は一向に修繕工事をせず、代わりのオフィスも見つからないままとなっていた。
雨が降ると、ビル全体が雨漏りして状況が悪化するという。しかしヘルメットを被って仕事をする理由は、雨漏りを避けるためだけではない。天井のしっくいが剥がれて頭上に落ちると負傷する危険があり、建物開発責任者のランジット・シンさんも「過去にも多くのスタッフが怪我をしたと訴えている」と明かす。