「生涯を添い遂げられないのなら死を選ぶしかない」―まるでシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を彷彿とさせるようなカップルの話題がインドネシアから飛び込んで来た。カップルの年齢差は55歳。夫は16歳で妻は71歳というこの超年の差夫婦はインドネシア国内だけでなく英メディアでも話題になり、『Metro』や『Mirror』が伝えるところとなった。
7月2日、インドネシア南スマトラのカランゲンダーという村で、あるカップルの結婚式が行われた。花婿は16歳のセラマット・リアヤディさん(16歳)、花嫁はロハヤさん(71歳)という55歳も年の離れたカップルが誕生した。
2人の結婚式を捉えた映像がインドネシアのソーシャルメディアに拡散すると、あまりの年齢差に「果たしてこれは真実なのか」という疑問が沸き上がった。そこでインドネシアのニュースメディアが、実際にこの2人が住む地域のリーダー、クスオヨ(Kuswoyo)さんに話を聞いた。クスオヨさんは、間違いなく結婚は執り行われ結婚式の証人も務めたと答え、実際に2人のお祝いには近隣の住民も含め500人ほどが駆け付けたという。
「セラマットとロハヤは完全に恋に落ちていました。『結婚を認めてくれないのなら死ぬ』とまで言い切ったんです。恋に落ちたカップルの1人が死ねば当然もう1人も後を追うでしょう。」
その言葉はなんともロマンチックな響きだが、カップルは16歳と71歳である。ロハヤさんに関しては、過去に2度も未亡人となった経験があることからクスオヨさんの許可を必要とした。またインドネシアでは男性の結婚が許可されるのは法律上19歳以上であるが、セラマットさんは16歳であることから兄の承諾を得て今回の結婚となったという。これはイスラム教の「Nikah Siri(ニカ・シリ)」と呼ばれ、役所に届けず、宗教上のみ婚姻が成立するもので州では違法とされているそうだ。