1963年に公開されたアルフレッド・ヒッチコック監督の『鳥(原題:The Birds)』という映画をご存知だろうか。無数の鳥が人を襲撃するパニック映画の代表作だが、この映画を地で行く出来事が英ウェールズで起こり人々を恐怖に陥れた。英『Metro』や『Daily Post』など複数メディアが伝えている。
ウェールズのポルスマドグ(Porthmadog)にあるYsgol Eifion Wyn小学校では、児童らが休み時間に校庭でのびのびと遊ぶことができなくなってしまった。というのもセグロカモメが児童や教師、親らを度々襲撃するからである。
セグロカモメはこの小学校の屋根に巣作りをし、ヒナが生まれた時期とあってカモメの親は攻撃的になり、校庭に出入りする児童や教師、また子供らを送り迎えする親にまでも頭上から攻撃を仕掛けてくるというのだから迷惑極まりない。さらに地面に誤って落ちた雛を拾い上げる時にも、より一層人への攻撃性が増すようだ。
児童の親らは送迎さえも恐怖を感じ、「早くなんとかしないとカモメの攻撃で深刻な怪我人が出ることになる」と学校側に訴えた。カリス・ジョーンズ校長はRSPCA(英国王立動物虐待防止協会)やRSPB(英国鳥類保護協会)に連絡し、グウィネズ協議会にもペストコントロールの要請を依頼した。協議会はNatural Resources Wales(ウェールズ自然資源団体)に呼びかけ、ヒナを学校の屋根から移動させるよう問題解決に努めた。
気温が30℃を超える暑い時には特にカモメが攻撃的になったようで、6月18日~24日の間は休み時間に児童が外で遊ぶことが二度も禁止されるという事態になっていた。この学校に通う6歳と3歳の子供を持つドーン・ジョーンズさんはカモメへの恐怖をこのように話している。
「複数の苦情が協議会に持ち込まれていました。子供たちは休み時間になってもカモメに襲われるのが怖くて校庭で遊べないんです。このカモメの襲撃は一度に限ったことではありません。昨年も問題になりましたが何の策も取ってもらえませんでした。学校の周りには何羽もカモメがいるしヒナもいます。低空飛行して校庭にいる人の頭を狙って攻撃してくるんです。大人たちは子供の送迎をすることも怖く感じるし、子供たちは登校することを怖がります。学校のスタッフも攻撃されているのです。」