モダンアート(現代美術)の世界は実に難解。「見学者の“この芸術性を理解しよう”とする歩み寄りの姿勢、あるいは自己満足に助けられている」とズバリ言ってのける人もいる。しかし、それも時には真実なのかもしれない。スコットランドのある大学で1日に発覚した珍事件を『globalnews.ca』などが伝えている。
その事件はスコットランドのアバディーンにある「ロバートゴードン大学」の展示室で起きた。そこを訪れたビジネスを専攻する4年生のルアイリ・グレイさんは、ある作品の展示ケースの脇にパイナップルを丸ごと置いたまま帰宅してしまった。数日後に再び足を向けると、パイナップルはガラスケースの中に展示されて“作品”と化していたという。
思わず吹き出しそうになったが、せっかく“芸術作品”として受け入れてもらったことから嬉しくなったグレイさんは見学者の反応を確認することに。Facebookにもその様子を明らかにしていた。また展示室に勤務するナタリー・カーさんは、『The Press & Journal』の取材に「そのガラスはかなり重いため2~3人がかりで動かします。誰の仕業なのかまるでミステリーです。とはいえ私たちは遊び心が大好き。パイナップルはこのまま展示することになりました」と話している。
本物の作品はその隣に展示されているというのに、パイナップルに秘められた芸術性を理解しようと難しい表情で腕組みし、じっくりとパイナップルを鑑賞していく見学者たち。どこか納得したような表情で次の作品へと移っていく様子がグレイさんには面白くて仕方がなかったようだ。