我が子に学校を欠席させて旅行に連れて行く親が多いイギリスでは、正当な理由以外で子供の学校を欠席させた場合に罰金が科せられる。このほど学校の許可を得ずに息子を休ませて旅行に連れて行った父親が、60ポンド(約8,700円)の罰金を全てペニー硬貨で支払った。英紙『Mirror』など複数メディアが伝えている。
ウェールズ南部のスウォンジーで運送会社を経営するパディ・フォーブスさん(49歳)は今年2月の1週間、息子トミー・リー君(6歳)を連れて妻のケリーさん(31歳)や親族らとエジプトへ旅行した。
パディさんはトミー君の学校に旅行のことを伝えてあったものの、校長からの許可を得ることはできなかった。そのため罰金は免れず、4月28日に市民会館へ罰金60ポンドの支払いに出向いた。
ところがパディさんが支払ったのは、バケツいっぱいに入れられたペニー硬貨60ポンド分だった。その様子はパディさんの友人が動画に収めているが、会館スタッフに「罰金の支払いに来ました」と伝え、カウンターでバケツをひっくり返してペニー硬貨で支払うパディさんの姿が捉えられている。
「ちゃんと60ポンド支払いましたよ。別に支払い方法を指定されたわけでもないから、郵便局でペニー硬貨を60ポンド分揃えて支払ったんです。会館スタッフに個人的に恨みがあるわけではないですし、罰金制度は彼女らのせいではないことはわかっています。でも政府に対しては、こんな規則を学校に設けて自分たちのような労働階級の市民からこういうやり方で罰するのはバカバカしいという思いはあります。子供のことを考え設定された規則と言いますが、単に市民から金を搾り取っているだけに過ぎませんよ」と、パディさんは不満を露わにする。