子供への虐待が家庭内で行われていても、本人が声をあげない限り周りが知る術もないことは大いにあり得る。しかし昨年3月、偶然目にした通行人の女性が救助の手を差し伸べたことで、3歳男児の生活状況が少なからず改善されたようだ。このほど行われた裁判で詳細が明らかになったことを英『Derby Telegraph』など複数メディアが伝えている。
英ダービシャー州シェブルックの路上で昨年3月、全裸の男児が車の走行する道路を行き来する姿を子供連れの女性が目を留めた。
男児に「ママは?」と訊ねると「ママはいつも寝てる。おばちゃん、一緒についていってもいい? 僕を助けて」という返事が返って来たため女性は男児が置かれている危険な状況を察し、すぐに警察に通報した。
自宅からいなくなった男児を捜していた母親は男児を見つけ、警察官が到着する前に家に連れ帰った。しかし道に迷い通りをさまよっていた男児は、交通安全の意識など全くない様子であった。しかも腕や脚が糞便にまみれ、痩せ細り顔色も悪く全裸状態であったことを通報者の女性から聞いた警察は、福祉サービスのスタッフと共に男児の自宅を訪れた。そこで目にした男児は、糞便は洗い流されていたものの全裸でコートに包まり眠っていたという。男児のベッドには嘔吐物が入った箱が置かれてあり、部屋には下痢をしたとみられる痕跡もあったことから母親を育児放棄とみなし逮捕、起訴した。