4月1日、インドのチャッティースガル州地域のヒンディーチャンネル番組『IBC24』で、いつも通り朝10時からニュースを伝えていたキャスターのサプリート・カウルさん(28歳)に悲劇が襲った。
ニュースが始まり15分ほど経った頃、同州マハサムンド地方で交通事故があったと速報が入り、カウルさんはその事故で車に乗っていた5人のうち3人が死亡、2人が重体という事実の詳細を求めるべく現地レポーターに電話で質問したが、その時は死亡した3人の名前は明かされなかった。
しかしカウルさんは、レポーターから事故に巻き込まれた車がルノーのダチア・ダスターであることを聞いて、直感的に自分の夫が乗っていた車だと気付いたという。同時に局の制作部にも事故の詳細が伝えられ、事故に遭った車がカウルさんの夫ハーシャド・カウェーデさんのものであることが判明したが、生放送中だったためにカウルさんに伝えることができなかったと副編集局長は述べている。
カウルさんがこのニュースを伝えた時には相手の車種は不明で、ハーシャドさんが乗った車は恐らくトラックに追突され事故に巻き込まれたのだろうと伝えられた。カウルさんは夫の死という悲劇に見舞われたにもかかわらず、必死で冷静さを保ちその後10分間ニュースを読み上げ続け、カメラがオフになると泣き崩れたという。
カウルさんの悲劇を知ったスタジオの編集局員の一人は、「カウルさんがプロとしての姿勢を最後まで崩さずにニュースを読み上げたことは局にとって誇れるべきことです」と話している。
ニュースキャスターになって9年のキャリアを持つカウルさんは、チャッティースガル州のテレビ局キャスターの中でも人気があるうちの一人だそうだ。カメラの前ではどんなことがあってもプロ意識を忘れないカウルさんだからこそ、その人気を維持しているのだろう。カウルさんはニュースを伝えた後すぐに親戚に連絡をし、夫の事故現場に駆け付けたとされている。
この出来事を知った人からは「悲劇としか言いようがないけれど、彼女の勇気は称賛に値する」「なんてお気の毒なの。ニュースを知ってこっちもショックを受けたわ」「カウルさんはとても強い女性なんだね」といった声があがっている。
出典:http://indianexpress.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)