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writer : tinsight-masumi

【海外発!Breaking News】アフガンで重傷を負った元海兵隊員 移植手術で新たな両腕を手に入れる 「夢はシェフになること」(米)

アメリカには今も戦地で命の危険と隣り合わせで日々任務に就く軍人が大勢おり、退役した後も生々しい傷を負った人たちが多く存在する。元海兵隊員のジョン・ペックさん(31)も、2010年にアフガニスタンで爆破装置を踏んでしまい右腕の一部と両足を失ってしまった。残った左腕も損傷がひどく最終的には切断せざるを得ない状態だった。

ジョンさんは、その3年前にもイラク戦争で乗っていた車両が爆弾攻撃を受けて負傷したことがあったそうだが、その体験を経てもなお現役勤務に戻ったという強者である。

アフガニスタンでの辛い出来事があった後は海兵隊を退役し、数年の間は両手両足の無い生活を強いられたジョンさんだが、2016年8月に移植手術によって新たな両腕を得ることになった。

マサチューセッツ州ボストンにある「ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(Brigham and Women’s Hospital)」にて移植手術を受けたジョンさんは、退院後も集中的なフィジカルセラピー(理学療法)を受け続けた。今回のような両腕の移植は、神経がゆっくりと成長する間のリハビリが鍵となり、腕をコントロールできるようになるまでは非常に時間がかかる。さらに術後数か月の間に感染症にかかってしまい、再び入院しなければならない状態だったという。そんな中でわずかながらも指を動かせるようになったということは、ジョンさんがいかに真剣に困難なリハビリに取り組んできたのかを如実に表している。

ジョンさんは移植手術後の10月に公の場でメディアのインタビューに対し「いつか、私はシェフになりたい」と語っている。その後もリハビリを続けた結果、現在は自らの意思で指を動かすことが出来るまでになった。ABCニュースのインタビューでも「シェフになるために一歩前進したという幸せをかみしめている」と話し、「手術を受けてからの5か月間は仮住まいに住んでるような状態で暮らしてきた。しかしもう自宅のあるヴァージニアへ帰る準備は整った」と前向きな姿勢を見せている。

このような両腕または両足の移植手術は世界でも例が多いとは言えない。ボストンの「スポールディング・リハビリテーション・ネットワーク(Spaulding Rehabilitation Network)」の肢端切断プログラム医長であるデビッド・クランデル博士は、ジョンさんの場合は「元海兵隊員だったことがリハビリに功をなした」と説明している。

なにより「シェフになることを諦めない」というジョンさんの強い気持ちが、リハビリへの意欲につながったと言えるのではないだろうか。

出典:http://abcnews.go.com
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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