半年ほど前、世界で初めて男性器の移植手術が成功していた。執刀した南アの医療チームは「排泄・生殖ともに機能は順調に回復する」と約束していたが、その通り男性は念願かなってパパになるそうだ。

昨年12月に世界初の男性器移植手術を成功させたのは、南アフリカの「ステレンボッシュ大学」泌尿器科の医療チーム。患者は21歳の男性で、3年前に受けた粗末な割礼の施術が失敗に終わりペニスを失っていた。新しいペニスは死亡した男性から提供されたもので、手術の計画は4年をかけて練られ、当日も執刀に9時間を要する大がかりなものであった。しかし今年3月、「術後の経過も予想以上に順調で、泄排および生殖機能の回復の目標は2年であったが、驚くことに3か月しかかからなかった」と発表されて話題となっていた。

さらに、その男性患者は手術後にガールフレンドが出来ていたもよう。執刀にあたったアンドレ・ファン・デル・メルヴェ博士から、このほど「彼が晴れて父親になる」というめでたい発表があった。南アフリカでは18歳の頃に割礼の施術を受けて失敗する例がままあり、恋も結婚もできないと人生を悲観して自殺を図るケースもあとを絶たないという。患者のガールフレンドが妊娠したというこのたびのニュースは、同じ悩みを抱えて手術を待つ男性たちに大きな希望を与えたに違いない。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）