海外発!Breaking News

writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】コンタクトレンズにバクテリアが繁殖 59歳男性が失明(英)

英コーンウォール・ウェイデブリッジ在住のアンドリュー・カーシューさん(59歳)はこれまで5年間、処方されたコンタクトレンズを装着し続けてきた。昨年6月、目覚めると涙目になっていたが、当初は結膜炎にかかったと思っていたという。ところが翌日の夜に激しい痛みを覚え、明るい光をやけに過敏に感じるようになった。

アンドリューさんはコーンウォールのトレリスクにあるロイヤルコーンウォール病院に行き、診察を受けた。そこでは単なる感染症だと診断され目薬を処方されただけだった。ところがその後4週間で症状は悪化し検査の結果、イギリスではコンタクトレンズ使用者の5万人に1人の確率で起こると言われる「アカントアメーバ角膜炎」に感染していることが判明した。

アカントアメーバは土壌や川や水道水などの淡水域に広く分布し、人に感染すると角膜炎やアメーバ性肉芽腫性脳炎を引き起こすと言われる。目に感染した場合、コンタクトレンズと眼球の間で増殖する傾向にあるため、水泳やシャワー時にコンタクトレンズを使用する際はリスクが高まるとされ、常に正しい洗浄法が重視されている。

アンドリューさんの場合は、水道水でコンタクトレンズを洗浄することはしなかったため、医師はアンドリューさんの手についた菌がレンズに付着したのだろうと考えている。

「顔半分をぐるりと取り囲んだ歯痛のような痛みだった。目が感染症を起こすことが、どんなに(心身を)衰弱させるかなんて想像もつかなかったよ」とアンドリューさんは英紙『Metro』に語る。

アカントアメーバ角膜炎に感染したと明らかになって以来、アンドリューさんは治療を続けたものの効果はなく、発症から約1年後の今年5月に「左目眼球を摘出する以外に方法はない」という辛すぎる決断を強いられてしまった。

摘出手術後、6週から8週間は暗い部屋でサングラスをかけて過ごしていたそうだ。外出先は病院のみ。心身ともに衰弱してしまったアンドリューさんは、左目眼球を摘出しなければならなかったことで救急隊員としての仕事も辞めざるを得なくなったという。

アンドリューさんの手術を担当した医師は、過去15年のうちアカントアメーバ角膜炎で眼球を摘出したのはアンドリューさんが初めてだと述べた。

最初に痛みが始まってから6週間後には左目の視力がほぼ失われてしまったアンドリューさん。眼球摘出が決まった時には「徐々に起こったプロセス」だと受け入れることができたという。しかし術後しばらくは、片方の光を失ったという現実に「ひどく落ち込んだ」とも語っている。

そんなアンドリューさんだが最近では徐々に元気を取り戻し、コンタクトレンズを装着している人々に警告を促している。

「水泳やシャワーの時でも一切コンタクトレンズはせず、水道水でも洗ったことがなかった私が、こうして失明する羽目になってしまいました。私の場合は、菌がついていた手で目をこすってしまったのが原因のようです。片目を失ってしまった事実はショックですが、眼球を摘出しなければ命が危なかったことでしょう。みなさんはどうか正しい使用法、洗浄法を常に心がけてください。私のような感染は稀ですが、実際に起こり得ることなのです。」

出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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