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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】エボラ出血熱の終わらぬ恐怖 回復した男性、565日にして精子からウイルス検出

蚊が媒介となって起こるウイルス性感染症。最近ではジカ熱が大きな話題であるが、致死率の非常に高いエボラ出血熱の恐ろしさを忘れるわけにはいくまい。このほど米・疾病予防管理センター(CDC)より新しい報告があったもようだ。感染、発症して回復すればそれで終わりではない。ヒトの体液、特に男性の精子の中でウイルスは…。

2014年2月にギニアで最初の患者が確認されるとあっという間に西アフリカを中心に大流行となり、総患者数28,000人超、死者11,000人超を出したエボラ出血熱。日本の厚生労働省は今年6月14日、「終息に向けた状況レポート (更新13)」として、ついに“西アフリカのエボラ出血熱の感染流行は、もはや国際的な懸念に対する公衆衛生上の緊急事態にはないと宣言された”と伝えていた。

ホッとしたいところではあるが、「今なおエボラ出血熱に関しては未知な部分が多く残されており、さらなる研究が必要」と米・疾病予防管理センター(CDC)は警告している。容体が回復した元患者たちの母乳、唾液、尿、精液などでエボラ出血熱ウイルスがどれほど長く生きているのか、再びのアウトブレークに備えるために、それを知ることは特に重要だと訴え続けてきた。

きっかけとなったのは、なんといってもスコットランドの看護師ポーリーン・カファキーさんであった。彼女はボランティア医療スタッフとしてシエラレオネに滞在し、英国に帰国後エボラ出血熱に感染していることが判明。その後回復して昨年1月に退院したが、10月に再び容体が悪化して入院していた。

またアメリカのイアン・クロージャー医師は回復後しばらくしてから左の瞳が青から緑に変色。そしてリベリアの首都モンロビアで今年3月、エボラ出血熱の終息宣言から2か月以上も過ぎたというのに30代女性の発症と死亡が確認され、関係者らを慌てさせた。

こうして最初にある研究者が“ヒトの体液の中でウイルスの生存可能期間は70日間ほど”と示したものが、“90日ほど”という説を経て昨年10月には“少なくとも9か月間”へと延ばされていた。しかし世界保健機関(WHO)とリベリアの公衆衛生当局とともに調査を進めてきたCDCはこのたび、それでも過小評価であったとして学術誌『The Lancet global health』に最新の調査結果をこう発表した。

“ヒトの体液の中でエボラ出血熱ウイルスは想像よりはるかに長く生き延びる力を持っていることがわかった。元患者のある男性においては、発症から565日経ってもなお精子の中でウイルスが生きていることが確認された。”

検査は2015年7月から2016年5月まで429名の元患者の男性たちを対象に行われた。9%にあたる38名の精液においてエボラウイルスが検出され、さらにそのうちの63%が1年後の検査においてもまだ「陽性」の反応を示したとのこと。理由はわかっていないがその多くが40歳以上の男性であるという。終息宣言後もエボラ出血熱に関する正しい知識と安全な性行為を指導する機会を多くもうけるとしているリベリア、シエラレオネ、ギニアの各公衆衛生当局。特にリベリアは15歳以上男性の元患者に対し、月1回の精液の検査を行っている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)