ロンドンの中心部ともいえるチャリングクロス駅エリアのトラファルガー広場を起点・終点にしているナイトバスのダブルデッカー（二階建てバス）は、深夜までロンドンを楽しむ人たちの足となっている。ナイトバスのルートは日中のルートよりも長い。そのため、家路に着くまで思わずバスの中で寝てしまうという人も少なくないようだ。しかし同じ寝るならダブルデッカーのホテルで寝るのはいかがだろうと、あるカップルが改造したダブルデッカーホテルがこのほど英紙『Metro』で紹介された。

モージャー・スーザンさんとフィリップさんは、1960年代のヴィンテージのダブルデッカー（二階建てバス）を5,000ポンド（約68万円）で買い取り、バスの中を100,000ポンド（約1360万円）かけてホテルに改装した。

心地よいソファやベッドを設置する前に、カップルはまずバスの外側を磨き錆を取り除き、電気や水道が使えるように工事をしなければならなかった。そして綺麗になったダブルデッカーの1階部分には、熱いお湯が出るバスタブと大きなスクリーン画面の薄型テレビ、そしてムードライトなどを設置し、2階部分にはダブルベッドとソファ、ミニテーブルなどを配置した。

Wi-Fi環境もばっちりのこのダブルデッカーホテルは、「トラファルガー広場（Trafalgar Square）」と呼ばれているが、残念ながら実際のトラファルガー広場にはない。イギリス北東部に位置するダラム州ビーミッシュの近くでカップルが経営しているホテルの敷地内に設置されているという。

特徴のある赤いダブルデッカーバスを好きな人は多い。ダブルデッカーはイギリスの代表的なものの一つとして常に挙げられるほどだ。そんなダブルデッカーに泊まってみたいと思う人への気になるお値段だが、平日の宿泊は220ポンド（約3万円）、金曜と土曜の宿泊は250ポンド（約3万4千円）となっている。ちなみに“客室内”は、あまり広くないためにカップル向きだそうだ。

少々お高い気もしないでもないが、ダブルデッカーの中で寝るという貴重な体験ができること、また本物のバスのように酔っ払い客もおらず最寄りのバス停で降りる必要もない。バスの中でお風呂と心地よい眠りが与えられるというのは何とも嬉しいものではないだろうか。イギリスに来た際には、話のタネにダブルデッカーホテルに宿泊してみるのもいいかも知れない。

出典：http://metro.co.uk
（TechinsightJapan編集部　エリス鈴子）