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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】「渡米するなら楽器にもESTA認証を」 チェロを抱えたスイス人搭乗できず

このほど大きなチェロを抱えて米メリーランド州ボルティモアに向かおうとしたスイス人のチェロ奏者が、ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)から搭乗を拒否された。その意外な理由が注目を集めていることを『The Independent』などが伝えている。

「チェロはとても大型の楽器です。そのため自分が座るほかに一つ座席も予約し、代金も支払ったのに飛行機に乗せてもらえなかったのです。」

こう不満をあらわにしたのは、スイス・チューリッヒ在住のジェーン・ビーヴァンさんというアマチュア・チェリスト。「ボルティモア交響楽団」が主催する講習会に参加するため、ブリティッシュ・エアウェイズ(以下BA)のフライトで米メリーランド州に飛ぶ予定であったという。アメリカに観光やビジネスなど90日以内の短期滞在を目的として渡航する者に対しては2009年以降、事前に電子渡航認証システム「ESTA」の認証を受けておくことが義務付けられており、ジェーンさんもその手続きはすでに完了していた。

ところがチューリッヒ空港のBAカウンターに到着するも、彼女の番が来た途端まるで手続きが進行しなくなった。職員は何やら難しい顔で上司と話し合っている。30分が経過してやっと示された返事は「この楽器はESTAの認証を受けていないのですか? コンピューターのシステム上“チャック・チェロ”さんについてのESTA承認が確認できないため、搭乗手続きはできかねます」というものであった。

実はジェーンさん、旅行専門ウェブサイトの『GoToGate』でオンラインにより航空券を購入していた。1つの座席については“チャック・チェロ”という仮名で求めており、同サイトから「その旨をきちんと連絡しておいた方がよい」との助言があり、渡航の1か月ほど前にBAのコールセンターに電話して了承を得ていた。そこで助けを求めようと『GoToGate』に電話したジェーンさんだが、「それはBA側とよく相談して解決を」と言われるのみであった。

さらにBAは当日の正規料金である約48万円を支払って改めて座席を確保するように勧め、“チャック・チェロ”として購入していた格安航空券代金の返金には応じてくれない。「業者が扱う格安航空券というのはまず“ノン・リファンダブル(返金不可)”です。だからオンラインで安易に航空券を買うべきではないのです」と繰り返すばかりであった。英LCCのイージージェットを同じやり方で利用し、スムーズに飛べた経験のあるジェーンさんは融通の利かないBAに強い不快感を覚え、そのフライトをキャンセル。すべてのチケットを新たに買い直して翌日ユナイテッド航空にてボルティモアに飛んだという。

出典:http://home.bt.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)