気合を入れてブラジル・リオ五輪に挑んだものの、現地で「強盗に金を奪われた」「銃を額に押し当てられた」などと主張し大騒動を巻き起こした米競泳ライアン・ロクテ選手。しかし警察の捜査で「そのような事件はなかった」ことが判明した。それどころかロクテ選手による悪行が明らかになり、ブラジル、アメリカなど多くの国でロクテ選手を批判する声があがっている。

このたび、ライアン・ロクテ選手のスポンサーを務めてきた有名スイムウェアブランド「Speed」、また高級ブランド「Ralph Lauren」などが次々とスポンサーを降りた。「大げさに話を盛ってしまった」と認めているロクテ選手だが、これまでの彼の発言と事実をこちらにまとめてみたい。

「チームメイト達と選手村に帰る際、警察を装った人々に車をとめられた」
これは完全なる嘘であった。ロクテ選手のタクシーはガソリンスタンドにとまり、出発前に“警察を装った人々”ではなく武器を持ったセキュリティガードに止められた。この際ガードは「車から降りなさい」と命じているが、これはトレイの破損について話を聞くためだった。

「警察を装った人物が、ロクテ選手の頭に銃を突きつけた」
こちらも完全なる嘘。セキュリティスタッフの1人が銃を出したのは事実だが、ロクテ選手の頭に銃を突きつけた事実はない。

またロクテ選手がガソリンスタンドのトイレ内で大変な破損行為に及んだという話もあるが、それについては様々な説がある。ロクテ選手は壁のポスターを破ったことは認めているが、鏡や液体石鹸のディスペンサーを壊したことは否定したのだ。またトイレのドアを蹴った点については「酔っていたので覚えていない」と話しているが、問題になる行為はあったらしく「自分ひとりに非がある」と認めている。

こうしたロクテ選手の“嘘”は大問題になっているが、本人は嘘という表現は避け「大げさに話を盛った」とコメント。しかし今後もブラジル当局等各機関は捜査の続行を示唆しており、何らかの処分が下される可能性もある。大手スポンサーのみならず人々の信頼も失ったロクテ選手、今後しばらく厳しい批判に晒されることは避けられそうにない。
（TechinsightJapan編集部　ケイ小原）