11日から12日にかけて、タイ中南部のリゾート地など5か所で起きた連続爆破事件。4人が死亡し、イギリス人2人を含む30人以上が重軽傷を負ったことが伝えられた。現地に滞在中のイギリス人の観光客カップルが今回の爆発事件を知り、帰国便の繰り上げを依頼したところ、航空会社にビジネスクラスの料金を要求されたという。英紙『Metro』が伝えている。
英ランカシャー州在住のリズ・ヘームズさん(33)とフィリップ・マッキランさん(38)は、家族に子供たち3人を預け夫婦2人の水入らず旅行でタイを訪れていた。ところが先週、彼らが滞在しているタイ南部カオラックのホテル近くで3件の爆破事件が起こり、ホリデーを切り上げて帰国することを決めた。
爆破事件があったために、帰国を繰り上げたいという旨をエミレーツ航空に申し出たところ「希望の日は既にエコノミークラスは満席です。ビジネスクラスですとお席がご用意できますが」と返答があった。当然、ビジネスクラスは料金が高い。早く帰りたければ「1,700ポンド(約22万円)を自費で」と言われ、リズさんとフィリップさんは仕方なく予約してあった便でイギリスに戻ったという。
「エミレーツ航空は、人の命よりもお金が大事ってことです。危険な状態であることがわかれば、一刻も早く旅行客を現地から母国へ送り届けるのが普通ではないのでしょうか」とフィリップさんは怒りを示し、リズさんも「爆破事件が近くであったと知って本当に恐怖でいっぱいでした。家族や友人からも『生きているなら連絡して!』とメールがひっきりなしに来たわ。それなのに航空会社の対応は、お金さえ出せば席を用意すると言われて。最低だと思ったわ。これって、人権侵害にあたるんじゃないかしら」と怒り心頭の様子だ。
これに対し、エミレーツ航空は「8月は、ホリデーシーズンで毎日満席の状態です。私たちは、このカップルからギリギリに便の変更を聞かされたのです。通常、混雑したシーズンには間際の便の変更は受け入れていません。便を早めたいということでしたので、ビジネスクラスの追加料金を支払えば週末のフライトの席は用意できると申し上げたのは事実です」といった声明文を出した。
結果的には15日のフライトで帰国したというこのカップルだが、このニュースを知ったネットユーザーからは「航空会社にはポリシーがあることを知らないのか」「そもそも、子供3人を放ってホリデーに行く親の気が知れない」「無料でビジネスクラスにアップグレードしてもらえると思うのが間違っている」といった思わぬ批判が寄せられている。
出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)