今年5月28日、日本の北海道七飯町の山林で小学2年生の男児が行方不明となり、約5キロ離れた陸上自衛隊駒ケ岳演習場で無事発見されたものの、その是非をめぐって日本中で物議を醸した“しつけ置き去り”事件。このたび同じような事件がアメリカでも起きた。しかも小さな身体にとっては非常に過酷な状況であったことを『ロサンゼルス・タイムズ』紙などが報じている。
このほどカリフォルニア州パームスプリング郊外のトウェンティナイン・パームス・ハイウェイという町で、自宅から100キロ近く北に位置するモハーヴェ砂漠に7歳の女の子、6歳、5歳の男の子を連れて行き、置き去りにした母親と交際相手の男が逮捕された。3人が置き去りにされたモハーヴェ砂漠は、ロサンゼルスから北東に300キロ、ネバダ州ラスベガスからは数十キロという標高1,000~2,000mの広大な砂漠で、常に高温かつ年間降水量は150 mm以下。この時期の湿度は10%台とどこも干上がっている。
サンバーナーディーノ郡保安官事務所の発表したところによれば、幼児3人は13日午前10時半すぎ、そんな過酷な自然環境の中に靴も履かない姿で置き去りにされた。水筒やペットボトルなど飲料水の類は何も持っていなかった。3人が保護されたのはおよそ一時間後の午前11時22分で幸いにも入院加療の必要はないが、気温はぐんぐん上昇し、その日の最高気温は39度であったことから発見が遅ければ「熱中症で命を落としていただろう」としている。
3人の母親であるメアリー・ベル(34)と交際相手のゲイリー・キャッスル(29)は、取り調べに対して「子供たちが言うことを聞かないため怖い思いをさせる必要があった。しつけのつもりだった。子供たちのことは少し離れたところで車の中から見守っていた」と釈明したが、通報者は「周囲にそうした車の存在はなかった」と証言。そのため非常に重い育児放棄と虐待、幼児を危険な状態にさらすなど容疑は複数にわたるとして起訴が決定した。現在、2人の身柄はMorongo Basin拘置所に拘束され、保釈保証金は10万ドルと設定されたという。
出典:http://www.oregonlive.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)