澄んだ空気とクリアな水、豊かな緑。自然が残っていなければ生きられないとても繊細なホタル。日本人なら、美しくもはかない黄緑色の光を放つホタルの貴重さを理解しているはずだ。しかし中国の四川省でこのほど…。
「キレイでしょう? 目の保養に眺めるもよし、捕まえてもよし。たっぷりと楽しんでいってください!」
そんな掛け声とともに25日夜、四川省成都市のある公園でホタル10万匹が大放出されたことを『華西都市報』などが伝えている。人工飼育がかなり難しいと言われるホタル。自然界から採集されたのであろう天然のホタルをガラスケースに詰めて運び込み、ただの見世物として放出し、市民はボトルに入れて持ち帰るなどしたのだ。
自然保護のバロメーターでもあるホタルをなんとか復活させようと努めてきた専門家たちが、これに黙っているわけはない。「成都華希昆虫博物館」の館長であるZhaoさんはその翌日、「特別な環境でなければホタルが生きられないことを理解してほしい。あんな公園では3日で死んでしまう」と猛烈に抗議。愚かなことを二度と繰り返さないようクギを刺した。同様のイベントが湖南省の長沙市でも昨年行われようとしていたが、その時は事前に情報を得た動物保護団体が連名で「ホタルの無駄死には容認できない」との陳情を手紙にしたため、キャンセルとなっていたという。
成都市では昨年春、ホームセンターが雲南省で採集された1万羽もの美しいチョウを客寄せのために大放出というイベントを開催した。大人も子供も押すな押すなの大混雑となり、踏みつぶされ、手で握りつぶされ、大変な数のチョウが殺されたことが伝えられていた。
出典:http://news.163.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)