5月のある月曜日、学校でいつもの登校時間に物々しい出来事が起こった。15歳の少年が両脇にボディガード2人を従えて登校したのだ。
南アフリカのメディア『IOL』によると、ダーバン北部でボディガードを2人連れて登下校する少年が現れた。
少年の父親によると、息子の通う学校で教師が教室を出ている隙に酒に酔った15名ほどの少年グループが教室に入り込み、生徒らにお金を出すよう要求したとのこと。15歳の少年はそこでグループに立ち向かい、さらに運よく教師が戻ってきたこともあり無事であったのだが、そこで少年グループから目をつけられてしまった。
放課後、少年グループが校門の外で待っており、少年を見つけるとナイフを突きつけてきた。この時も教師がそれを目撃し、救い出された少年は家に無事送り届けられた。
この出来事に恐怖を感じた少年はそれ以来家を出ることができず、不登校になってしまった。1週間以上も学校へ行かず家にこもっている少年に対し、父親は学校へ抗議する。
しかし学校側は父親と話をする場を設けず、頼みの綱の警察に被害届を出すものの警察側も特に対応をすることはなかった。州の教育省に頼んだところ、ようやく校長が動いたものの「校内は安全なので学校に戻ってきてください」という電話が一本かかってきただけであった。
学校を一歩出ると息子の安全は保障されない。さらに、まもなく大事な試験も始まるということもあり両親はある決意をした。
「学校も警察も息子の安全を守ってくれないのなら、親がするべきである」と、警備会社からボディガードを2名雇ったのだ。ボディガードは少年の両脇をがっちり固め、守るように歩き登下校時のエスコートをする。ちなみに費用は1日900ランド(約6300円)とのこと。
以前よりこの地域でのいじめは悪質なものが頻発していると言われており、警備会社によるとナイフなどの武器を持つ生徒も多いそうだ。また地域警備フォーラムでは「学校はこういった暴力的ないじめの対策に消極的であり、それにより生徒のいじめだけでなくドラッグ蔓延にも拍車がかかる」と指摘し、保護者が目を光らせることが重要であると述べている。
出典:http://www.iol.co.za
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)