映画やゲームに登場する“人食いアリ”が、南米を中心に実際に存在することをご存知であろうか。メキシコのある町で赤ちゃんがアリに体中を噛まれ、その後に死亡する事件が発生した。
メキシコ・チワワ州南部の町で2014年、1歳6か月のルナ・エステファニアちゃんという女の赤ちゃんが“人食いアリ”に食い殺されるという事件が起きた。ルナちゃんは児童保護局の調査員の訪問によりむごたらしい姿で発見され、激しく苦悶しながら病院に救急搬送された。医師は女児が栄養失調の状態であること、アリに体中を噛まれ、体の複数個所を食べられていたことを発見して治療にあたったが、約2か月後に死亡。傷の治癒を待つことなく、激しい痛みの中で苦悶しながら息絶えたことが医師より説明された。
その後、隣人らがルナちゃんの家庭環境について「ひどいネグレクトの状態」と話したことから調査には警察も介入。マリアナ・リゼト・サラス・ヘルナンデスという20歳の母親を虐待容疑で逮捕・起訴した。マリアナは2014年4月の後半から5月上旬にかけてルナちゃんに何も食べ物を与えていなかったほか、ルナちゃんは歩行がやや不自由であることも判明。生後2か月の時、マリアナの不注意で頭部を強打していたという。長引いた裁判はこのほどやっと結審し、連邦裁判所の判事はマリアナに30年の実刑判決と約165万円の罰金刑を言い渡したと豪メディア『news.com.au』が伝えている。
南米で人食いアリといえば“軍隊アリ(army ant)” が有名である。このアリは巣を持たずに数万匹が軍隊さながらの隊列で行軍する。エサとなるのは主に昆虫類だが、爬虫類、鳥類にも攻撃し、牛、馬、人間にまで噛みつき、そのまま食い殺すことがある。調査員は「ルナちゃんの体にビッシリとアリが這っていて驚いた」としている。
出典:http://www.news.com.au
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)