南アフリカで運転が下手、ルールを守らないと有名なのは警察車両とミニバスタクシーである。その2つが3年前に最新モデルのジャガーを廃車同然にしたという。
3月7日の現地紙によると、事故が発生したのは2013年7月の日曜日午後のこと。運転手は翌週発表するジャガー最新モデルの試運転をしていた。快晴で視界良好の中、3車線の右端から真ん中に変更。前のメルセデスベンツが速度を緩めたため、ジャガーもそれに合わせてスピードを落とした。ところが次の瞬間、ベンツはなぜか急ブレーキをかけたのだ。ジャガーもすぐにブレーキを踏んだが、運の悪いことにジャガーの後ろにいたのは危険運転で有名なワゴンタイプのミニバスタクシーで、ブレーキを踏むことなくジャガーの後部に突っ込んだ。
この衝突でジャガーのエアバッグが作動し、ベンツの後部に激突。タクシーは横転し、乗っていた多くの乗客は外に投げ出された。ジャガーの運転手は頭を負傷し、ミニバスタクシーの運転手は死亡したという。
ベンツを運転していたのは警察官2名で、北ケープ州からはるばる1310キロ離れたダーバン近郊までラグビーのチャンピオンシップ警備のため向かっているところであった。このたび行われた裁判で、警察官は「白い車が邪魔をしたためブレーキを踏んだ」などと主張。しかし運転していた警察官の証言と道路に設置されていた監視カメラの映像では食い違いが多く、さらに急ブレーキの理由があいまいであり「(警察官の住む)エリアには3車線道路がなく、運転に慣れていなかった」と語った。
ミニバスタクシーの運転手は死亡し、ジャガーの運転手にも非はないとして結局、警察官がジャガー支払いの責任があるという結果となった。
ジャガーは当時132万ランド(約960万円)、修理費用はそれ以上のコストがかかるため廃車になっている。結局エンジンなどの部品を売り、その残り120万ランド(約870万円)と訴訟費用などを警察官が支払う判決が下された。
出典:http://www.iol.co.za
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)