無実の罪で1年以上も拘留されていた男性は、証拠となった指紋が別人のものであることが判明し釈放された。南アフリカの遅すぎる裁判事情と、怠惰なシステムの犠牲者となってしまった。
2008年、シヤボンガ・シャバララさんは南アフリカ・ムプマランガ州のタウンシップで逮捕された。理由は2001年に発生したムプマランガ州デルマズという町の郵便局での強盗である。当時、現場で採取された指紋がシヤボンガさんの指紋にマッチしたからであった。
しかし2009年2月のこと、鑑識が裁判に提出するために指紋の準備をしたところ、指紋はシヤボンガさんではなく、ムプマランガ州に隣接しているハウテン州のンフランフラ・シャバララのものであることが判明した。
この発見から6日後、シヤボンガさんは晴れて自由の身となった。しかし、無実の罪で411日も拘留されていた彼は、ギャングが幅を利かせていた留置場でつらい日々を送っていたようだ。現在、安全・保安省に対して180万ランド(約1290万円)の損害賠償を求めているが、2月22日の最高裁では55万ランド(約395万円)前後で決着をつける見込みだという。
法廷弁護人は悪意があったわけではないと主張する一方、捜査担当の怠慢を認めた。ちなみに今回の郵便局強盗は誤認逮捕であったものの、シヤボンガさんには窃盗、麻薬保持、家宅侵入の前科があった。
出典:http://www.iol.co.za
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)