アイドルグループ・嵐のロケ地や名前が似ている神社など“嵐スポット”を巡る人が増えている。彼らが出演するJALのCMに福岡県福津市にある宮地嶽神社が映ることから話題となり、旅行会社によるバスツアーも企画された。その参加者は20代~70代の男女と幅広く、嵐のファン層は着実に広がっているようだ。
今年の2月11日より放送されたJAL先得のCMに出てくる“光の道”は宮地嶽神社の参道から見られる風景だ。福岡の旅行会社がそのロケ地を中心に企画した“嵐を感じるバスツアー”が3月11日に行われた。テレビ西日本の情報番組『ももち浜ストア 夕方版』では14日の放送でそのバスツアーを話題に取り上げた。
参加者の20代女性は「二宮くんのファン、CMの神社に行きたくて」申し込んだという。20代の男性2人は「男性参加者はあまりいないが、男でも嵐好きでもいいでしょっ!という感じで来ました」と元気が良い。また、「嵐好きな孫に影響されてファンになった」という60代のご夫婦がいれば、1人で参加した60代の女性は「嵐は皆好きだけど、なかでも相葉くんかな。ライブも行きました、SMAPも行きましたよ!」と嬉しそうに明かす。
まず、糸島市の“櫻井神社”を訪れると境内で見られる絵馬には「嵐」と描かれたものがいっぱい並ぶ。神社の禰宜は「すごく神社を大事にしてくれて頂いているのでありがたいです」と感謝しており、嵐ファンのマナーは良いようだ。特にコンサートに絡めて訪れる人が多く、「コンサートの発表」「チケットの販売期間」「チケットに当選したお礼参り」「コンサートの日」には参拝者が増えるという。
同じ糸島市にある“潤神社”は住宅街の小さな社だが、「松本潤」と同じ字が入っているのでありがたく拝んでいた。今宿の“二宮神社”では女性参加者が「お賽銭も二宮くんだけに、二百円」と奮発する。すぐ近くにある酒店のご主人は「1年ほど前から参拝者が多くなり、嵐ファンの女性客が店頭に車を停めて買い物をしてくれるのでありがたい」と笑顔で語る。
昼食は糟屋郡新宮町にある寿司・割烹の“歌幸”に向かった。ここは相葉雅紀がテレビ番組のロケで福岡に来た際に食事をしたお店として知られる。お店の女性から相葉が食事した部屋に通され、テーブルは「相葉さんのうちわが置いてある席です」と分かるようになっている。コンサートが行われる毎年12月には開店時間を早めて営業するそうで、「2か月くらい前からあのお部屋の予約が入ります」「若い方にお越しいただくと、活気づきますね」と喜んでいた。その部屋で記念写真を撮った参加者たちは、大部屋で彼が食べた「満腹あらだき定食」を堪能した。
午後は佐賀県三養基郡にある天吹酒造で酒蔵を見学、大野智が紅白歌合戦の企画で取材に訪れ日本酒造りを勉強したところだ。放送後から女性客が増え、「若い人に日本酒を知って頂いて、“ああ、美味しいね”と日本酒ファンになって頂ける」と酒造の人も大野リーダーに感謝していた。
そして、最後に向かったのが宮地嶽神社である。まずはCMで嵐の5人が腰かけて名物の松ヶ枝餅を食べるのを真似て記念撮影。その後、参道から海まで約2kmにまっすぐ伸びる道が夕日でオレンジ色になる“光の道”でクライマックスと行きたいが、この日は曇り空だった。しかし参加者達が拝むように待っていると、雲間から一筋の夕日が差して“光の道”ではないものの荘厳な景色が見られた。
今回のツアーで巡った“嵐スポット”で聞いたところでは、地域の経済や活性化に好影響となっているようだ。アイドルのファンによる騒音やゴミなどが問題となることもあるなか、「嵐ファンはマナーが良い」と評判になればこうした巡礼ブームも歓迎されるのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)