こちらでもお伝えしていたとおり、米ネバダ州ラスベガスのメインストリートで先月20日、1台の車が歩道に乗り上げては次々と歩行者をはね、大勢の死傷者を出した。動機についてなかなか語られないため薬物の影響下との見方が強まっていたが、どうやらその通りであったもよう。血液検査から高濃度のマリファナが検出されたという。
米ラスベガスの「プラネット・ハリウッド・リゾート&カジノ」と「パリス・ラスベガス」、両ホテルの間で先月20日午後6時40分ごろに起きた深刻な交通事故。ラキーシャ・ホロウェイというオレゴン州出身の24歳女の運転する車が歩道に乗り上げ、ジェシカ・ヴァレンズエラさん(32)がはねられて死亡。重軽傷者は36名に上った。
同じような事故を続けざまに2か所で起こしたことから、ラキーシャに無差別殺人の意図があったのではないかとの見方も有力であったが、このほどクラーク郡検事当局は「容疑者は医療用大麻の使用者で、血液検査の結果、違法な量のマリファナが検出された」と発表した。本人は薬物やアルコールもたしなんでいないと主張したが、覚えていることといえば、女性の体が衝突してフロントガラスが破損し、女性の体がバウンドしたことだけだという。
ネバダ州では、たとえ医療用大麻の使用者であろうと血液1ml中2ng(ナノグラム)、あるいは尿中代謝物として1ml中10ng以上のマリファナが検出されるようでは高速道路や公道を走行してはならないと定めており、ラキーシャの場合は血中濃度が3.5ng/ml(尿中代謝物として23.6ng/ml)であった。
車なしの生活など考えられない一方で、医療用大麻を入手した者は「合法だから。必要だから」と危機感も薄くハンドルを握ってしまうこの現状。また法的基準値はもちろん大麻についての捉え方は州によっても異なり、使用者本人の意識もバラバラであることから、多数の死傷者が出たこの事故をきっかけに正しい評価や安全対策の再検討を求める声もあがっている。ラキーシャの次回出廷は今月20日に予定されているという。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)