1月15日未明に起こった軽井沢のスキーバス転落事故。ハンドルを握っていた運転手は、65歳の前期高齢者だった。昨今の建築や運輸関係の業界では人手不足が深刻で、大型観光バスでは70代の現役運転手も珍しくないという。
30日放送の『週刊ニュース深読み』のテーマは、「バス事故から考える 高齢者の働き方」。出演者は専門家3名とNHK解説委員、そしてゲストとして香坂みゆきと蛭子能収がコメンテーター席に座っている。ニュース解説番組で彼の姿があることに、視聴者は大変驚いたようだ。蛭子は世の中のモラルなど眼中に無いような自由な言動が人気となり、民放のバラエティ番組から引っ張りだこになった人物だ。「蛭子さんが話についていけるか心配…」「まさかバス絡みの話だから、蛭子さんぶっ込んだのか?」と、ツイッター上では番組開始早々から彼の発言に注目が集まっていた。
高齢者が働かなければならない背景に、経済的な理由がある。年金だけでは暮らしていけない人が多いのだ。この問題を話し合っている時、蛭子から突然「僕68歳なんですけど、年金とかもらっていない、どうなっているんですか?」と突拍子のない発言が飛び出した。すかさず香坂が「自分で役所とか行ってください」と注意し、「あ、そうなんだ。自分で行かないとダメなんだ」と彼は素直に引き下がった。香坂のナイスフォローに他の出演者は安堵したことだろう。
また番組後半、慶應義塾大学の清家篤塾長が“働くことが生き甲斐”という高齢者の能力をキチンと活用できる環境を整える必要性を訴えていた時のこと。向かいに座っていた蛭子の方を見ながら「“ひるこ”さんのように…」と説明するも、その間違いを誰も突っ込まない。ツイッター上だけが「蛭子さんが慶應の超エライ先生に“ヒルコさん”と呼ばれる」とざわついていた。
今回の同番組で、おそらく蛭子は香坂の半分も喋っていなかっただろう。話すタイミングが掴めなかったようで、机上の彼の手の動きでもどかしさが伝わってきた。
(TechinsightJapan編集部 みやび)