飼い主と愛犬のそれは深い愛情と絆。どんな時もご主人のそばにいたいというピットブル、しかし獰猛で攻撃的な性格と言われることから米メリーランドのその郡ではピットブルの飼育はご法度であった。1頭のピットブルが郡のその条例を変えるかもしれないとの話題をボルチモアのメディア『baltimore.cbslocal.com』が伝えている。
米メリーランド州で2日早朝、プリンスジョージズ郡のランドーバーという町で火災が発生した。庭にはその家屋から焼け出された家主が横たわって病院への搬送を待ったが、その傍を片時も離れようとしない2歳のピットブル、“プレシャス”の姿が感動とともに大きな関心を集めているようだ。
火災において煙を吸い込み、火傷を負ってしまった家人たち。娘のエイプリル・ニューエルさんはその後、CBSボルチモアのリポーター、トレイシー・レオングさんの取材に「プレシャスはいつだってそう、本当に優しい子なの。私たちを守ろうとして滅多に離れようとしないわ」と答えた。彼女の症状は軽いが父親は入院して治療を受けている。
実は20年ほど前からプリンスジョージズ郡では人々がピットブルを飼うことを禁じており、違反した者に対しては1,000ドルの罰金と懲役が科せられる。病院で家人たちが治療を受けている間プレシャスはやむなく動物保護施設に預けられ、その現実を突き付けられたエイプリルさん。間もなくプレシャスと安心して暮らせる別の土地に引っ越す予定だと話している。
もっともプレシャスの賢さや大人しさを称え、警察もエイプリルさんに刑を言い渡すことはしないもよう。またプレシャスのそんな様子がCBSのローカルニュースで報じられると、メリーランド州の愛犬家や犬の保護団体などが「ピットブルを正しく評価して欲しい」として立ち上がった。郡議会に対して禁止条例の撤廃を求める動きに注目が集まっているという。
※ 画像はbaltimore.cbslocal.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)