朝はコーヒー1杯で自宅を出る。オフィスではパソコンの脇にコーヒーがなければ落ち着かない。ランチの後でコーヒー、外出すればカフェで一服。“眠れなくなるかも”とわかっていても、もちろん夕方以降も…こんな生活を送っている人が非常に多いアメリカでは、昨年あたりから「カフェイン中毒には精神カウンセリングが必要。治療しなければ体を壊す」などと報じられるようになっていた。紅茶派の多いイギリスでもコーヒーは大人気。英メディア『dailymail.co.uk』が興味深い話題を伝えているのでご紹介したい。
「いつからこんなにコーヒーを飲むようになってしまったのか。もしかしてカフェインの摂りすぎ? もはや中毒のレベル?」
大好きなコーヒーを前に、ふとこんなことを思ってしまう人がとても増えて来たという昨今のアメリカ。数ある飲み物の中でも圧倒的にカフェインの量が多いコーヒーの摂りすぎは体には毒、睡眠の質を大きく落とすことは承知しているものの、周囲もそのような状況ゆえ、それを自覚することはなかなか難しいという。
そんな中、アメリカの精神カウンセラーの間ではカフェイン依存から脱却したいと望む者に対し、5週間にわたるカフェイン依存症克服プログラムを指導する機会が非常に増えているとのこと。患者が自宅で読むための詳しく解説された小冊子も渡され、日記をつけながら自己管理に励み、1週間単位でカフェイン摂取量を減じていく。
1日当たり平均で670mgものカフェインを摂取してきたという67名の患者が、その研究チームのもとでカフェイン依存症克服プログラムを受けた結果、最終的には4分の3の患者において1日あたりインスタントコーヒーで2杯、つまりカフェイン摂取量を200mg未満まで落とすことに成功したと医学誌『Consulting and Clinical Psychology』に発表したのは医学界の名門ジョンズ・ホプキンズ大学(ボルチモア)、およびアメリカン大学(ワシントンD.C.)の合同研究チームであった。彼らはカフェインの頭痛、疲労感、風邪の諸症状の緩和、パーキンソン病患者の症状緩和、長距離ドライブにおける覚醒作用、そして優れた精神作用効果は世界が認めた通りだとするも、摂りすぎは睡眠障害だけではなく心配や不安傾向、神経過敏、胃の不調、張り詰めた緊張感などの副作用があると警告した。
最後にアメリカン大学のローラ・ジュリアーノ博士は、「健康のためにも、妊娠中をのぞき1日当たりのカフェイン摂取量は400mgまでと考えるべきです」とまとめている。もっともこれは体格にもよるであろう。日本では睡眠の質を落とさないためにカフェイン量は1日250mgまでと言われている。レギュラーコーヒー(一杯150ml)135㎎のカフェインを含むも、インスタントコーヒー(同)であればカフェインは68mgとのデータもあるようだ。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)