12月初めの週末、南アフリカ・リンポポ州でささやかな結婚式が行われた。女性として生きてきたのに世界中から男性ではないかと好奇の目で見られ傷ついた心を、伴侶が支えてくれるというのは喜ばしい。
新郎というか新婦というか、カップルのうちの1人は2009年第12回世界陸上ベルリン大会、女子800メートル走で金メダルを獲ったキャスター・セメンヤ選手である。
金メダルを獲得した際、立派な体格に低い声のセメンヤ選手に男性疑惑が浮上。国際陸上競技連盟(IAAF)の調査により、卵巣がなく精巣があるという両性具有であることが判明した。論議の結果、セメンヤ選手は女性として選手登録されることに。過去に両性具有と判明した選手はその後の競技生活を続けることはなかったが、セメンヤ選手は周りの反対を押し切って走ることを選んだ。
そんなセメンヤ選手の数奇な人生を救ってくれたのが、長年連れ添ってきたガールフレンドのバイオレットさんであった。昨年、2人は婚約し家族も認めているという噂が流れたが、地元紙はこの噂をセメンヤ選手が強く否定したと伝えている。
12月6日に行われた挙式の写真によると、伝統的な式、もしくは婚約の儀式と見られる。バイオレットさんは紫に黄色をアクセントとしたドレスを纏い、セメンヤ選手はジーンズに同じく襟足に黄色をあしらった紫の服を着用。2人は音楽に合わせて踊ったようだ。
式に参加したというリンポポ州のメディア『The Juice』は、周囲が2人を祝福し素晴らしく幸せな結婚式であったとコメントしている。
しかし、セメンヤ選手のいとこは「家族としてこの件に関してはコメントできないが、セメンヤは2週間休みをとっている」と述べ、さらに「これは結婚式ではない」と否定した。
※ 画像はchannel24.co.zaのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)