クリスマス休暇をごちそうやプレゼントに囲まれ、家族でほのぼのと過ごす幸せ。「それを味わったことのないホームレスの子供たちを少しでもハッピーな気分にさせてあげたい」として、米ニューヨークの女性が素晴らしいサンタクロースに化してしまった。この時期にぴったりなハートウォーミングな話題をご紹介したい。
この画像は『CBS News』によるその記事のスクリーンショット。女性はキャロル・サッチマンさんといい、ニューヨークはマンハッタン・ウェストヴィレッジに暮らす美しいマダムである。彼女を囲んでいるのは廃業したおもちゃ屋に残っていた無数のおもちゃ。今はそれらのクリスマス用ラッピングに余念がないとして、CBSの『MoneyWatch』に彼女はこう語った。
「里親制度により私には支援している子供たちがいるの。誕生日のプレゼントは欠かせないわ。そろそろクリスマスのプレゼントをといつもの“Hudson Party Store”というおもちゃ屋さんに出かけてみたら、なんと閉店していたの。」
「すっかりホコリをかぶった店の中で、おもちゃたちはとても悲しそうな表情に見えたわ。ああ、このおもちゃを欲しがっている子はいっぱいいる、誰かの手に届いてこそのおもちゃなのに…と切なくなってしまって。その時ふと思ったの。親を失ってホームレスになってしまった子がこのニューヨークにはたくさんいる、私がその子たちにこのおもちゃを贈ろうって。」
こうしてキャロルさんは店を経営していた者を探し当て、「在庫は数千点でしょうか。そのすべてを私が購入します」と申し出て交渉は成立した。キャロルさんはプレゼントを無数詰めた袋を市のホームレスサービス局に届けることになるが、大勢のボランティアが12月になってから市内各所にあるホームレスのシェルターサービスにそれを配達してくれることも決まっているそうだ。
この件についてホームレスサービス局のアントニオ・ロドリゲス氏は、『MoneyWatch』に「キャロルさんのその寛大な贈り物に心から感謝しています。クリスマスホリデーを楽しむことのできない子供がどれほど喜ぶことか、こちらまでワクワクしてしまいます」とメールで伝えた。ニューヨーク市のホームレスの数は右肩上がりで、ホームレス・チルドレンと呼ばれるシェルターで眠る子供たちの数も今年9月には約24,000人にのぼることが報告されているという。
「動物園をまるごと買い上げてしまった家族の実話をもとにした、『We Bought a Zoo(邦題:幸せへのキセキ)』なんていうハートフルなハリウッド映画だってある。それと同じようなことをしてしまった自分の大胆さにはちょっと驚いているわ」とキャロルさん。人生を通じて匿名で行ってきた寄付は数知れないと言い、その理由について彼女は「ニューヨークという街で夫も私もたくさんの“親切”と出会ってきたからなの。一度でも誰かの親切のおかげで助けられた経験をすると、ビジネスさえうまく行けば、今度は自分が誰かに親切にする番だと考えるものよ」と笑顔で語っている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)