このほど科学誌『Nature』に、地球から39光年先に金星にそっくりな惑星が存在することを突き止めたと発表され、大きな注目を集めている。その表面温度は“オーブンのように熱い”と表現されたが…。
チリのアンデス西端のきわめて高い断崖に設置された「セロ・トロロ・インターアメリカン天文台」にある8台からなる40cm反射望遠鏡“MEarth-South”において、大きな発見があったことを『theguardian.com』ほか世界のメディアが報じた。近年、たいへんな数の系外惑星の情報が放たれているが、専門家らはこの星を「地球外生命体を研究する上で、かつてない重要な発見」と高く評価しているもようだ。
それは地球からわずか39光年先に存在する「GJ 1132b」という惑星。ドップラー法により測定されたところでは地球より多くの岩石や鉄から成り、サイズは地球より16%ほど大きく、親星との公転周期が1.6日と短いのは、両星の間の距離が140万マイルと、太陽に最も近い公転軌道を周回する水星の3600万マイルに比べて非常に近いためであるとしている。想定される温度は摂氏232度と高く、水の存在は期待できないため、金星の双子のようだとたとえられた。
しかし科学誌『Nature』にこの発見を発表した『ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(マサチューセッツ州ケンブリッジ)』のデヴィッド・シャーボヌー氏は、「金星の双子を見つけたこの方法により、いつかきっと地球の双子のような星も見つかることでしょう。それが我々の究極のゴールです」と、そしてマサチューセッツ工科大学のザッコリー・バータ=トンプソン氏は、「ずっと熱かった星も数十億年という時間の中で少しずつ涼しくなり、大気に覆われるようになれば生命体を擁するようになるのです」と語る。この星についての研究を今後も進める一方で、彼らはあくまでも“地球の双子探し”に意欲をみなぎらせているようだ。
※ 画像はindependent.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)