どこの国にも教師に対して反抗的な態度をとる生徒がおり、極端な言葉で説教してしまう教師もまたいる。今年3月、アラブ首長国連邦(UAE)のある小学校で、教師がなんと「紙を食べろ」と児童に命じたことからとんだ事態に陥ってしまった。その教師にはこのほど有罪判決が下ったが…。
ドバイのある小学校で音楽を教えていたブルガリア国籍の39歳の男性教師。彼は、授業を妨害しては反抗的な態度をみせる小学3年生のある男子児童(7)に手こずっていたが、大きな事件が起きたのは今年3月のことであった。クラス全員に1枚ずつ五線紙(音符用のノート)を配ったところ、その児童がボール状に丸めて投げて遊んだことからついに逆上。「それを食べろ!」と怒鳴りつけたのであった。
その児童は言われるがままに紙を食べ、飲み込んでしまった。しかし帰宅後に発熱して嘔吐し、翌日登校するも熱が高くなり、猛烈な胃痛と嘔吐を訴えるため学校は家庭に連絡。父親は警察のためのクリニックに息子を連れていくも、そこより大きな「ラティファ病院」の受診を勧められたという。一方で母親は学校に「何か変なものを食べさせませんでしたか」と問い詰めており、そこで音楽教師により紙を食べるよう強要されていたことを知った。
医師が「ノートを食べたことが原因」と説明したことから警察官をしている児童の父親は激怒して学校に抗議。傷害の容疑で音楽教師は起訴された。このほどその裁判が行われ、教師は「冗談のつもりでそう言った。まさか本当に食べるとは思わなかった」と無罪を主張したが認められず、有罪判決とともに罰金544ドル(約6万7000円)の支払いが命じられたとUAEのメディア『thenational.ae』が報じている。
なお、適切な治療により児童の体調はすでに回復。警察には「音楽の授業なんて友達とふざけっこさ。配られた紙をボールにして投げて遊んでいたら、いきなり食べろって言われちゃったよ」と話したといい、授業妨害をしていたという自覚や反省の気持ちはほとんどないもよう。後味の悪さが気になる事件である。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)