近年、各地の保健当局への相談件数が大変な上昇傾向をみせているのがトコジラミの問題。これの被害が出るとホテルや旅館では風評被害から経済的被害をこうむることも多く、ベッドまわりの清潔感は何よりの重要課題となっている。そんな中、トコジラミを退治しようとした住民のせいで、米デトロイトではアパートが全焼する火事が発生した。
ミシガン州デトロイトで3日、アウタードライブにある48世帯が暮らしていたアパートが全焼。すべての住民が焼け出されたほか、5人の負傷者が病院に搬送された。火元となったのはある女性の部屋で、消防隊員には「トコジラミを発見したことが発端でした」と説明したとのこと。近年世界的に急増傾向にあるといわれるトコジラミ。それに対して彼女が手に取ったのは、清潔好きな人なら必ず手元に1本は置いてありそうな消毒用アルコール。それは一般人のやりがちな、しかしとても危険な過ちであったとして大きな関心を集めている。
デトロイト消防署のチャールズ・シムズ氏によれば、女性はベッドに現れたトコジラミ(=南京虫)を退治しようと消毒用のアルコールをマットレスほかの寝具に吹きかけ、すりこんだという。しかしつけっ放しであったストーブがそこに引火。瞬く間に炎が上がったそうだ。本人も火を消し止めようとして顔と首に火傷を負い病院で治療を受けているが、刑罰の対象とするか否かの検討については「本人に火災を起こそうとの悪気がなかったことは無視できない」としている。
たとえば日本でトコジラミの駆除にあたる業者は、高温スチーム処理を中心に駆除、予防両面からトコジラミを退治するよう努めているとのこと。一般人ができる方法としては、衣類や寝具の熱湯消毒や洗濯後に乾燥機で乾かすことが有効だという。また霧タイプの殺虫剤などを使用する場合は、卵の孵化のサイクルを考えて2週間後に再び使用することが必要となり、注意書きをよく読むことが大事だ。もしもトコジラミに噛まれた場合はなるべく掻かないようにし、抗ヒスタミン剤入りの軟膏やかゆみ止めを塗る(飲み薬が処方される場合もある)ことになる。
※ 画像はdetroit.cbslocal.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)