トランスジェンダーの人々のほとんどが、「幼い時から自分の身体的な外見と内面に違和感があった」と告白するものである。想像以上に長期にわたり苦悩した後でカミングアウトすることもあり、本人が性転換手術を望んだ際にはそれに理解を示すという家族も徐々に増えてきている。また近年のアメリカでは幼児にしてそれをカミングアウトする子が増え、ホルモン治療や外見上の性転換を早くから容認する親もいるもようだ。
有名雑誌『People』の新ウェブサイト・シリーズ、『The Keswanis: A Most Modern Family』が全米の注目を集めている。ケースワニさんという家族のドラマティックな姿を追いかけるもので、メンバーは医師である父親のアニルさん、そして母親のヴァイシャリさん、小人症であるビッグ・ニックくん(17)、ミスコン出場を目指しているサリナさん(15)、そして主人公はなんといっても6歳のデヴィーナちゃん。少し前まではデヴくんと呼ばれる男の子であったが、エピソード3からスカートをはいた少女として登場するようになったのだ。
ある時、幼稚園の先生から「デヴは何となく自分の性と内面に違和感を抱いているようです」と指摘された両親。自分たち家族もうすうす感じていたことだけに、母のヴァイシャリさんはそれを機にわが子が抱えるその問題に直視しなければと考えざるを得なくなった。そして30秒後、彼女はわが子を抱き寄せて「その通りだわ。この子をデヴと呼ぶのはもうやめ、女の子のデヴィーナとして受け止めてあげよう」と覚悟を決めたという。
現在デヴィーナちゃんが心の拠り所にして交流を深めているのは、トランスジェンダーの先輩格にあたるカリフォルニア州在住のリリー・ルーベンスタインさん(15)。リリーさんは12歳で両親に性同一性障害を打ち明け、「チルドレンズ・ホスピタル・ロサンゼルス」にてホルモン治療を受けながら、長いカーリーヘアが似合う女の子として人生を歩んでいる。同病院で思春期内科を担当するジョアンナ・オルソン医師は、「この問題を抱えている人々は常に一定数います。人類が始まった時からですよ。400名ほどの年少の患者さんを診てきましたが、4歳の子すら来ています」と説明した。
また性同一性障害を理由に自分をイジメていたある男の子について語ったデヴィーナちゃん。「その子だって僕と同じようにガールスカウトに参加していたんだよ」と何か言いたげだ。そんな息子との暮らしについて、ヴァイシャリさんは「うちは皆さんの考える常識的な家族ではないかもしれませんが、いつも一生懸命頑張っています。そもそもいろいろなことが起きてこそ豊かな人生と言えるのでしょうし」と語る。リリーさんも「親の愛情と温かいサポートがあればきっと大丈夫」とこのファミリーを強く称えているもようだ。
※ 画像はbreitbart.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)