ベテラン歌手シェールの “元” 娘、現在は「LGBT」の活動家として頑張っている誇り高き息子であるチャズ・ボノ（42）が、「男になった以上は…」と切なる願いを口にした。

15日、有名DJハワード・スターンのラジオ番組に出演したチャズ。彼は性同一性障害に気付いてからの葛藤、両親との衝突、人々との緊張した関係などを激白した。

チャズは08年に性転換手術を受け、男性ホルモン剤の投与によりヒゲも生やし、体型は男性そのもの。10年5月にはカリフォルニア州により正式に「男性」として認められている。長年交際している婚約者（女性）もおり、「LGBT（レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー）」の活動家としての存在感はかなり大きい。

そんな彼の今の切実な願いは、「男性器が欲しい」ということだそうだ。そのためセルビア共和国の首都ベオグラードの専門病院での形成手術を検討していることを明らかにした。「この望みを叶えるために、僕は恐らくベオグラードに行くことになるよ。これまでにも色々な例が紹介されているけれど、その分野においては一番という病院があるんだ。」「その男性器で排尿も出来るし、インプラントで睾丸も作ってくれるんだ。もちろん少し小さめのものになるらしい。でも男として排尿が出来るというのは素晴らしいね。」

「幼い頃から心はずっと男だった」と説明するチャズ。常に前向きに性転換プロセスを語るが、自分の「心」に「体」を近づけるために、痛みを覚悟の上で体に幾度もメスを入れてもらう不安やストレスは尋常でないはずだ。また大金が必要である以上、そうした手術を受けられない人々の方が圧倒的に多いことも忘れてはならない。

単なる性的指向としてのレズビアンやゲイとは違い、「体」が「心」を裏切ることに耐えられず、また人の冷たい視線に苦しんで自殺する若者も増えている通り、性同一障害の苦しみはストレートの人々には計り知れないものがあると言われている。

彼らに「辛い」、「悩んでいる」と言わせない世の中にするためには、やはり私たちの側の感じ方の「転換」が必要である。だが、そんなに重々しい話ではないようにも思う。誰の周りにも、いっそ女性（男性）に生まれれば良かったのにと思えてならない人が1人はいるものだが、その様子を「本人も実は生まれ変わりたいと思っているのかも知れない」と考えてみる、それだけで十分なのではないだろうか。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）