食事には虫が入り、すし詰め状態の部屋での睡眠、これでは試験勉強に集中できるはずもない。電子機器持ち込み禁止で両親にも連絡が取れない状態の生徒らは苦痛の勉強合宿を強いられた。
ヨハネスブルグのウィロウクレセント高校3年生の生徒が、およそ100キロ離れたプレトリア東部のカリナンという場所で10月4日から一週間の集中勉強合宿を行った。
しかし学校に集合したときからいきなりトラブルが発生。なんとこの学校の他に3校の高校からも生徒が参加することが発覚した。しかも合宿所へのバスはたった2台。生徒らはギュウギュウ詰めのバスに揺られて合宿をする施設へと連れて行かれた。
到着した生徒には更なる衝撃が待ち受けていた。4校の生徒らの予約を一度に引き受けた宿泊施設には当然余分な部屋などなく、一部屋約20人で就寝する羽目に。施設側のマネージャーは「できるだけ詰めてお休みください」と声をかけることしかできなかった。
地元紙の取材によると、生徒らは小さい保健室のようなところで20人一緒に寝なければならない状態だったとのこと。宿泊所は衛生的にもひどく、食べ物にゴキブリが入っていた生徒もおり、水が飲めればラッキーな状態だった。
さらに困ったことに、試験勉強を目的としているため、携帯などの電子機器の持ち込みは一切禁止。生徒らはこの惨状を誰に伝えることもできなかった。
先生や宿泊施設の人々は、これら生徒の訴えを気にもかけなかったため、ある生徒が付き添い役として来ていた保護者から携帯を借りて親に窮状を連絡した。事情を知った親は、できるだけ多くの生徒を乗せられるようにとミニバンに乗って「救助」に現れた。学校側は予定通り金曜日までは滞在すると決定していたものの、ほとんどの生徒はこの迎えに来たミニバンで帰宅した。
同地元紙の取材に対してハウテン州教育省は、「出された食事がハラール食でなかった」というイスラム教の生徒からの苦情しか把握していないとのこと。今回のニュースを知り、教育省では調査団を派遣して事実を解明すると述べている。
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(TechinsightJapan編集部 FLYNN)