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writer : flynn

【海外発!Breaking News】公立学校に中国語導入「植民地化と同じ」猛反発(南ア)

現在南アフリカの公用語は11言語。ここに中国語が入ってくる。南ア人はタトゥに漢字を入れることを好むが、教育に中国語が参入するのを受け入れることができるだろうか。

南アフリカの公用語は11言語あり、故ネルソン・マンデラ元大統領の言葉、「レインボーネーション」に言い表されているようにその文化は非常に多様だ。。実際には英語がビジネスの幅を利かせているものの、アフリカーンス語、コサ語、ズールー語など地域によって需要の高い第2、第3言語は仕事上でも欠かせない言語である。しかしここに中国語が参入してくることとなった。

AFP通信によると、南アフリカの公立学校で来年から中国語をカリキュラムに取り入れる方針であることが判明した。基礎教育相によると、これは昨年12月に政府が発表した10年計画の一環であり、グレード10(高校1年生)では、母語(Home language)の他に第1言語、第2言語があり、中国語は第2言語の枠に入ることになる。

すでに中国からトレーナーが南アフリカに来ており、一方中国にて研修を受けた南アフリカ教師もいるとのこと。また中国は将来的には何百人もの南アフリカ人中国語教師を普及させ、中国文化を促進する公的機関である『孔子学院』を南アフリカに三校設立しようとするなど、中国文化の幅広い普及を考えている。

南アフリカ・ステレンボッシュ大学の中国学研究センター職員はこの決定に、むしろ遅いぐらいだと言及。センター職員が2004年に中国を訪れた際、学校でスワヒリ語とズールー語を教えているのを知り、「南ア政府が中国語を南ア国民に供給しないのはおかしいだろう。」と中国語の普及を支持している。また南部アフリカでは中国語をカリキュラムに取り入れている国もあり、国際社会でビジネスをしていく上で中国語は今後必要となるのかもしれない。

2009年、中国は南アフリカの最大の貿易相手国となった。とはいうものの、中国は常に優位に立っており二国間が等しく利益を得ている関係ではない。基礎教育相の決定に対し、南アフリカ教職員組合(SADTU)は「言語の導入は新しい植民地化に等しい」と猛反発。まずは社会の一体性を築くためにもアフリカの言語を優先させるべきだと主張している。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)