『ターミネーター』のプロデューサーが放つパニック・サバイバルの人気ドラマ『ウォーキング・デッド』。その大ファンだという若い男が友人を殺害して罪に問われている。思い込みの激しいタイプの人の心理にそうしたドラマが与える影響について、あらためて物議を醸している。
シーズン6がスタートしたばかりの人気ドラマ『ウォーキング・デッド(The Walking Dead)』。至る所に“ウォーカー”と呼ばれるゾンビがはびこる荒廃したアメリカで、元保安官がリーダーとなり生存者“アンデッド”たちが平和に暮らせる地を求めてさまよう。ニューメキシコ州で22日午後、そのパニック・サバイバルドラマに夢中になっている若い男が、ある思い込みからひとりの友人を殺して逮捕された。
同州の『KOB4 News』が伝えたところによれば、こん棒、エレキギター、電子レンジなどで滅多打ちにされて殺害されたのはクリストファー・ペイギンさん。この事件で逮捕されたのは、被害者の友人であったデーモン・ペリーという23歳の男である。映像ストリーミング配信会社「Netflix」と契約しているアパートの自室で酒を飲みながらクリストファーさんと一緒に『ウォーキング・デッド』を視聴していたが、そのうちにクリストファーさんがゾンビと化している、殺さなければ自分がやられると考えるようになっていったという。
通報を受けて警察官が駆けつけた時、デーモンは相当酒に酔って手にはナイフすら持っており、クリストファーさんはすでに息絶えていた。「クリストファーがゾンビになって俺を噛もうとしたからだ。すべてはウォーキング・デッドの影響だ」と主張するペリーだが、当然ながら殺人罪で告発された。
思い出すのは2011年にカリフォルニア州リバーサイドで発生した、当時10歳の少年がソファーで寝ていた父親を拳銃で殺害した事件。自称ネオナチの父親は失業中で酒ぐせが悪く、家族に暴力を振るっていた。少年側が、殺害の背景には有名な犯罪ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』の影響があったと述べたことから大きな注目を集めたが、第二級殺人罪で有罪となっていた。
※ 画像はnypost.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)