無職で住む場所もなく帰る場所もない、南アフリカではそういう人々はたいてい山で寝起きしている。見つかると追い出されるが、大抵はほとぼりが冷めると戻ってくる。しかし、逆恨みでとんでもない行動に走る者がいた。
9月28日、南アフリカ・ケープタウンのサンセットや夜景スポットとして人気のシグナル・ヒル(Signal Hill)で、夕方に火災が発生した。幸い乾季ではなかったため、すぐに鎮火したという。
警察がシグナル・ヒルに煙が上がっているのに気づいて駆けつけると、山に火をつけながら歩いている男を発見し、身柄を確保した。男はジンバブエ出身の28歳。火を放ったことを認めたため、器物損壊で逮捕されている。ケープタウン市安全保障委員会JP・スミス氏によると、男は住居がなくシグナル・ヒルで寝起きしていたが、南アフリカ国立公園(SANParks)のレンジャーに山から立ち去るように言われ、その腹いせに火をつけたということだった。
その数日前に発生したテーブルマウンテンの東に位置するデビルス・ピーク(Devil’s Peak)の火災も、この男がかかわっていると見て捜査を進めている。
ケープタウン中心街で商売を行っていたという男は現在も拘留中だが、南アフリカには2007年以降ビザが切れており違法滞在していた。
SANParks消防チームが火災に気づき駆けつけたとき、すでに市の消防隊員が鎮火していた。その屈辱があるのか、SANParks代表は「国立公園指定地域内で発生したものではないことがわかったため、SANParksに責任はない」とコメント。しかし市当局の法的な処置を望んでいるという。
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(TechinsightJapan編集部 FLYNN)