海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】「イスラム国」日本の外交施設へのテロ呼びかけで、海外メディアも安保法案成立を懸念。

イスラム国の機関誌『DABIQ』において、このほど世界中のイスラム教徒に対して呼びかけられたテロ活動の実行。名指しされたもののひとつに“日本の外交施設(外交使節団)”があり、ボスニア、マレーシア、インドネシアなどの日本国大使館、領事館などが一気に警戒レベルを強めているが、筆者はマレーシアのメディアが伝えた内容に注目した。

過激組織「イスラム国(以下IS)」が、オンラインで配信している機関誌『DABIQ』の最新号にて、戦闘の拠点を置くイラクやシリアに来ることができない同士たちに、それぞれの国でテロ活動を起こすよう呼びかけた。70ほどの国が敵国とされた中で、日本に関してはこう述べている。

“Or targeting Japanese diplomatic missions in Bosnia, Malaysia, and Indonesia?”

「ボスニア、マレーシア、インドネシアにある日本の外交施設(同使節団)を襲撃のターゲットにせよ」ということで、文頭“Or”の手前は、「例えばディアボーン(ミシガン州)、ロサンゼルス、ニューヨークで我々の聖戦の邪魔をしようとする者たちでもよし。またジャカルタ、ドーハ、ドバイにあるパナマの外交施設でもよし」とあり、この後ろは「ティラナ(アルバニア)、サラエボ、ボスニア、プリシュティナ(コソボ)にあるサウジアラビアの外交施設でもよし」と続く。そのためボスニア、マレーシア、ジャカルタにある日本国大使館や領事館は、現地警察と連携しながら厳重な警戒体制の中で日常業務を続けていることが伝えられている。

自国民も日本の外交使節団も守らなければならないマレーシア。そんな中、同国のメディア『themalaysianinsider.com』はこの件について、ISが日本をすでに米国主導の連合軍の完全なるパートナーとみなしていることへの強い不安とともに伝えている。日本は今まさに自衛隊の在り方、集団的自衛権の行使をめぐる丁々発止が続いているが、同メディアも「第二次世界大戦後、日本は長いこと戦闘行為と無縁であり、中東情勢や宗教、民族紛争にも立ち入らずにきた」と前置きした上で、その風向きが変わってしまったことへの懸念をにじませた。

今年1月、安倍首相が中東を歴訪してテロと真っ向から戦う姿勢を示し、IS対策に2億ドルの資金援助を申し出たところで後藤健二さんは斬首され、「これは日本にとっての悪夢の始まり。アベの決断のせいでケンジ(後藤健二さん)は殺されることになった」という不気味なメッセージがISから放たれたことに触れた同メディア。集団的自衛権行使の安保法案成立、これがISを刺激しないわけがないことは安倍首相もよくわかっているはずだが…。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)