短い夏も間もなく終盤。海に花火大会、BBQと行く夏を惜しむようにレジャーを楽しむ人たちは、なにかとお酒を飲む機会が多いことだろう。楽しく飲んだ後、二日酔いで苦しむのはイヤだと肝臓を守るドリンクやゼリー飲料などをあらかじめ飲んでおくという人もいるはず。だがひと口に栄養ドリンクといっても、コンビニやドラッグストアへ行けば多種多様な商品に目移りしてしまう。そんななかで注目すべき成分のひとつが「オルニチン」だ。その名前を耳にすることが多いオルニチンには、はたしてどのような働きがあるのだろうか。
まずおさえておきたいのは、「オルニチン」は肝機能の働きに大きく作用するアミノ酸だということ。肝臓には有害物質となるアンモニアを「解毒」する重要な役目を果たす成分がオルニチンなのだ。「シジミが肝臓に良い」と言われるのは、数ある食材の中でシジミに含まれるオルニチンの量がダントツに多いからである。
お酒を飲みすぎてしまった翌日は食欲がなく、栄養ドリンクに頼ってしまう人も少なくないだろう。小腹が空いて何か少し口にしようと思っても、気分がすぐれないときに重いものは見るのもツラいことがある。そんなシーンで助けとなってくれるのが、手軽に摂取でき口当たりも良いゼリー飲料タイプの栄養ドリンク。その中でも注目したいのは、オルニチンに加えてクエン酸やビタミンCも配合されているものだ。実はオルニチンと一緒にこれらを配合することにより、疲労回復の助けとなる働きが増すというのである。
協和発酵バイオ・学術研究企画室の西村明仁氏によると、オルニチンとクエン酸は肝機能をサポートする上でお互いを補う密接な関係があるそうだ。肝機能が低下してアンモニアの処理が滞ると、クエン酸がエネルギーを生み出す働きが阻害されるとのこと。二日酔いの回復に加え、疲れをとる体内システムがスムーズに機能するには、オルニチン回路がしっかりと働いてアンモニアを解毒することが重要なのだ。
西村氏は、お酒の美味しいこの季節の二日酔い対策について「飲んだ日にオルニチンを摂って頂くことで、翌朝の目覚めの気分が改善したという実験結果もあります。翌朝の食事代わりもいいですが、飲んだ当日にオルニチンを摂取しておくのもいいと思います。二日酔いの時には糖分もあわせて摂ることをお勧めします」と語っている。
また、オルニチンは一見関わりがなさそうなダイエットにもつながりがあるとのこと。成長ホルモンには脂肪を燃焼する作用があり、この成長ホルモンの分泌を促すのがオルニチンだというのである。お酒を飲む機会が多い人だけでなく、ボディラインが気になる人にもオルニチンは見逃せない成分といえそうだ。さらにクエン酸をあわせて摂ることで、肝臓をケアして生活のリズムや食事のバランスが乱れがちな現代人の健康をサポートしてくれるとは、なんとも有り難い成分である。
アミノ酸は人の体になくてはならない重要な栄養素のひとつ。忙しい夏を疲れ知らずで乗り切るため「オルニチン+クエン酸」の解毒&疲労回復パワーは欠かせないものとなりそうだ。
(TechinsightJapan編集部 平原はづき)