複数の人が乗った乗用車がものすごいスピードで家屋に突っ込んだ。そのような重大な交通事故に遭遇したら自分がすべきことは何か。このほど米オハイオ州で、何はさておいてもスマホでの撮影を優先させた男が警察に逮捕された。
オハイオ州ロレイン郡のカンザス・アベニューで13日午前1時頃、17歳の少年が運転するセダンが一般家庭の家屋に突っ込み、ほどなく炎に包まれるという事故が発生した。緊急車両が駆け付けるまで近隣の住民らが救助にあたり、運転手は病院で治療を受けているものの、助手席に同乗していた友人、キャメロン・フレンドさん(17)は搬送先の病院で死亡した。
住民らは遺族に深く同情する一方で、警察や同州のメディア『FOX8 Cleveland』の取材に対し「やるべきことをやらない非協力的な男がいた」と怒りをぶつけ、その非常識さ、無神経さを猛烈に批判した。その男とは、スマホでの録画に夢中になっていたポール・ペルトン(41)。彼は事故のショッキングな動画をFacebookに投稿したほか、報道機関2社に対して「映像を購入しないか」と持ち掛けていた。さらに車の前後の扉を開けて車内を撮影していたことも動画から判明しており、ペルトンは15日に逮捕された。
事件や事故、怪我人に遭遇しても、通報や救助をしてトラブルに巻き込まれるのはゴメンだとの理由で薄情にも通り過ぎる人が増えている。このことの罪深さについては頻繁に語られてきたが、近年は人々が救助や通報よりスマホでの撮影に夢中になってしまうケースも目立つという。「人としてのモラルは」とたびたび話題になっていただけに、このたびの逮捕を当然だとする声は多い。しかし、ペルトンの行為は車両侵入による罰金刑という“軽犯罪”で済む可能性が高く、「もう少し踏み込んだ裁きを法廷で」といった意見もあるようだ。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)