世界中の人権擁護団体が注視しているものの、小学生以下の少女を妻に迎えるなどインドやパキスタンの理不尽な結婚のニュースがどうしてもなくならない。体と心に激しい苦痛と傷を負う少女たち。インド・ラージャスターン州ウダイプル県で、このほど35歳の男性が幼い少女を妻に娶って逮捕されたことが大きく報じられている。斡旋手数料さえもらえば良心に欠いた縁組を取り持つ悪徳斡旋業者、そして支度金欲しさにたった6歳の娘を嫁に出すことに同意した少女の両親にも批判が集中している。
この画像はパキスタンのメディア『Sairbeen』でプレゼンターをしているShafi Naqi Jamie氏が、先月23日に行われたという結婚式の写真をTwitterで紹介したものである。新郎はチットールガル地区のギャングラー村で村議に選ばれているラタン・ラル・ジャトという35歳の男。彼と赤い紐(布)で腕を結び付けられている少女の表情は絶望感でひたすら暗い。少女は当分の間、実家で生活してよいという条件であったが、情報は写真とともにSNSに漏れ出し、「児童婚禁止法(the Prohibition of Child Marriage Act, 2006)」に違反していることから警察が介入し、ジャトは逮捕された。
このたびの縁組は、ジャムニ・バイという悪徳結婚仲介業者が67,000円ほどの手数料を受け取って、貧しい家庭の少女を人身売買さながらの形で斡旋したもの。その結婚式にはバイを含む5人もの「証人」が列席し、村の寺院で極秘のうちに行われていた。インドにおける人権無視のこうした縁組が完全になくなる日はまだまだ先といった感じがぬぐえない。
※ 画像はtwitter.com/ShafiNaqiJamieのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)