海外発!Breaking News

writer : flynn

【海外発!Breaking News】ケープタウンの強風「ケープドクター」の脅威。トラックや木がなぎ倒される(南ア)

毎年、南アフリカ・ケープタウンでは人が飛ばされるのではないかと思うほどの強風が吹く時期がある。この風はケープタウンの埃や悪い空気、さらには疫病を一掃すると考えられていることから「ケープドクター(Cape Doctor)」と呼ばれている。このケープドクター、毎年9月以降に吹くのだが今年は随分と早く7月21日にやってきた。さらに今年の“ドクター”はかなりの威力で、各地に被害をもたらした。

ケープタウンの西部に張り出す南大西洋高気圧により、南東から強く吹き抜けるケープドクター。この地域の春から夏にあたる10月から3月にしばしばやってくる海からの強風は汚れた空気を一掃し、現地で暮らす人々の病気を防ぐほか現地のワイン造りに使われるぶどうの木を病気から守る役目も果たしている。しかしながら、この“ドクター”による影響は良いことばかりではない。その風は人が立っていられないほど強く、時に台風並みの威力で被害をもたらすこともあるのだ。今回のケープドクターはまさにそれで、瞬間風速40から50キロの強風が各地で猛威を振るった。

21日夜には、ケープタウン東方の国道にあるトンネル近くでトラック4台が強風になぎ倒されて国道が一時封鎖された。また中心部でも倒れた並木により道路が不通となる被害が出た。絶景を楽しめるドライブコースとして世界的にも知られる有料道路・チャップマンズピークでも、落石防止のために張っていた6トンもの金属製くさびの落下により道路が封鎖されている。

さらにケープタウンから車で1時間ほど離れたゴードンズベイという海岸沿いの町にある運転免許センターでは、強風により屋根と壁の一部が崩壊し一時閉鎖状態となった。ケープタウン市はセンターの修復が完了次第、今週中にでも再開する予定とのこと。

気象予報士も首をかしげる季節外れのケープドクターに、慣れているはずのケープタウンの住人たちも戸惑い、強風の凄まじさをSNSで伝える人も見られた。

※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)