パソコンもここまで古ければまさにビンテージもの。このほど米カリフォルニア州で、とあるリサイクルセンターに客が持ち込んだ1台のApple製コンピュータにコレクターが飛びつき、高値で買い取ったと話題を呼んでいる。
重厚な木目調の本体にシンプルなキーボード。業界の人々も思わず唸ってしまうであろうこのコンピュータは、スティーブ・ジョブズ氏、スティーブ・ウォズニアック氏、ロン・ウェイン氏の3名が知恵を駆使し、たった200台だけ製造した「第一世代」のデスクトップ型“Apple I”の1台で、1976年製のシロモノだそうだ。
サンノゼのメディア『San Jose Mercury News』が伝えているところによれば、このパソコンが持ち込まれたのはカリフォルニア州サンタクララ郡のミルピタスにある「Clean Bay Area」という名のリサイクルセンター。夫を亡くした女性が自宅ガレージの遺品を処分している中で発見したという。センターの副社長、ビクター・ギチュンさんはこのように語っている。
「女性は受領書の類は一切要らないと言い、連絡先も告げずに店を去ってしまいました。箱にしっかりと詰めこまれていたこともあり、その中身が珍しいものであることに作業員が気付いたのは数週間後のことで、しかも私たちは果たして本物のコンピュータなのかと疑ってしまいました。」
だがこの製品にコレクターは強い興味を示し、20万ドル(日本円にして約2500万円)の値で買い取ってくれた。ギチュンさんは今、「これを持ち込んでくれた女性に50%、つまり10万ドルを返したい」として彼女の連絡先を必死に探っている。
ちなみにApple社の大成功は、この「第一世代」のすぐ後に開発された“Apple II”による。1980年の株式公開時に2億ドルを手にしたジョブズ氏は『フォーブス』誌が選ぶ長者番付に25歳にして紹介され、一躍時の人となった次第である。
※ 画像はsundayworld.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)