ガールフレンドの過失致死罪で5年の禁固刑が言い渡された両足義足のランナー、オスカー・ピストリウス受刑者。彼が8月には仮保釈されることを矯正局が発表した。殺人事件により10か月で仮釈放となるニュースは、南アフリカの犯罪率を高めるのではないかと懸念されている。
「矯正管理および仮釈放委員会」は6月8日、ピストリウスが保護観察下という条件で釈放することを承認。8月21日から実施されることとなった。
事件が起きたのは2013年2月14日のこと。判決を受け収監されたのは2014年10月21日、仮釈放は2015年8月21日、わずか10か月の収監になる。被害者であるリーバ・スティーンカンプさんの両親は「娘の命を奪ったピストリウスのことは許し、復讐も考えていない。だが、罪を犯したのならばそれ相応の罰を受けるべきだ」と、服役があまりにも短いという趣旨の手紙を委員会に送った。しかし、南アフリカの法律では5年以下の懲役刑の場合、6分の1の刑期を服した後、保護観察官のもとで残りの刑を過ごすことが可能なのだ。
通常の仮釈放に倣うならば、ピストリウスは自宅での保護観察となる。教会の礼拝、最低限の買い物、スポーツイベントなどの参加は認められるものの、保護観察官への報告が義務付けられ定期的な訪問を受けなければならない。
現在ピストリウスは、一日のうち1時間だけ自室を出る以外は部屋にこもり聖書を読んだり祈ったりしているそうだが、今後は仮釈放に向けての準備期間に入る。しかし、さらなる試練も待ち受けている。検察側はスティーンカンプさん殺害の判決を不服とし、最高裁に控訴。ピストリウスは、11月に再び裁判に出廷する。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)