緊急コールセンターにて通報を受ける際、最も肝心なのは相手を落ち着かせることであろう。しかしある男性が通報したとき、オペレーターは驚くべき返答をしたのだ。
南アフリカ・ケープタウンでは最近、“ヘル・ラン(Hell Run)”と呼ばれる事件が頻繁に起こっている。これは道路の上から岩を投げたり、パンクさせる目的で国道などに岩やコンクリートの塊を置くなどして、車が停車したところを襲撃するという犯罪行為のことだ。主にケープタウン国際空港付近で発生している。
ある日の朝4時、空港に向かって国道を運転していた男性が道路上の岩に車をぶつけてしまった。左前方のタイヤが破損したが、男性は“ヘル・ラン”を恐れて運転を続けながら緊急コールセンターに通報した。
だがこの時、オペレーターは男性に対して「で、私に何をしてほしいんですか?」と返答。しかもオペレーターが二度も同じ返答であったため、男性は電話をきりそのまま運転を続けたという。10分後に再度同じ番号に通報したところ、今度は他のオペレーターが警察へ通報するなど適切な対応をしてくれたそうだ。この件の報告を受けた西ケープ州保健局の広報担当は、オペレーターの対応について調査を行うことを発表している。
また西ケープ州生活安全委員長は、この問題の背景として緊急通報の電話番号が多すぎることを指摘。ケープタウン市だけでも一般緊急番号「107」に加えて警察用緊急番号「10111」、犯罪を取り締まる『クライム ストップ』というホットライン「08600 10111」があるのだ。さらに救急車を呼ぶ番号は3種類も存在する。西ケープ州国土交通開発計画省では、適宜必要なサービスへ転送する「112」への電話を推奨している。
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(TechinsightJapan編集部 FLYNN)