海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】アメリカン航空の数十機、パイロットのiPadに不具合で離陸できず。

乗客が全員座席につきタキシングまで始めた飛行機で、パイロットが「不測の事態につき再びゲートに戻ります」と告げたら乗客は機体の不具合、大切なものを積み忘れていた、あるいはパイロットの体調不良かなどと想像するものである。しかしアメリカン航空の旅客機でこのほど…。

28日、パイロットのiPadに不具合が生じたため、離陸直前の飛行機が一旦ゲートに戻るというハプニングが生じたアメリカン航空の数十の旅客機。「そんなことで」と呆気にとられる乗客が多かったようだが、パイロットはいたって真剣である。なぜならアメリカン航空は2013年、環境保全のため紙の使用を減らそうとデジタルマップ、飛行計画およびナビゲーションを含む重要な情報をすべてiPadで管理、閲覧するシステムに変わっていたのだ。

アメリカン航空の広報担当であるアンドレア・ヒューグリーさんはその後、パイロットのiPadそのものや操作方法に誤りがあったのではなく、搭載しているソフトウェアアプリに問題が発生していたことを説明。そうした問題を解決するにはiPadをWi-Fiの接続が可能な環境に戻す必要があったとし、「お客様には大変なご不便をおかけしました」と謝罪した。

アメリカン航空では2年前のやはりこの時期、システムが完全にダウンしたことでアメリカン航空の400機以上、アメリカンイーグル航空の300機以上が空港に足止めとなる異常事態が発生していた。原因は予約システムと接続する部分に障害が起きていたもよう。大混雑の空港で待たされている客の苛立ちをよそに、その予約システムを提供するSabre Holdings社とアメリカン航空が責任を擦り付けあって物議を醸した。

ちなみにアメリカン航空では現在、8,000台のiPadが紙にして2,400万ページ分の情報を管理するようになっているといい、1年につき約40万ガロンの燃料節約が実現したとのこと。これは非常に称えるべき話である。だがソフトウェアというのはいつ不具合が生じるかわからない。それを常に完璧な状態に保ちつつ、安全な飛行を目指してほしいものである。

※ 画像は9to5mac.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)