音楽バラエティ番組『UTAGE!』の2時間SPで、“尾崎豊ソング対決”として川畑要と千賀健永(舞祭組)が『I LOVE YOU』を、T.M.Revolution西川貴教と生田絵梨花(乃木坂46)が『OH MY LITTLE GIRL』を歌とピアノで披露。両チームともスタジオ中を感動させたが、MCの中居正広は「感動のルーツが違う」と評価した。
3月31日の夜9時から放送された『UTAGE春の祭典!涙と笑いと祈りのSP』(TBS系)では、Chage(チャゲ)が5年ぶりに歌番組に出演して注目を浴びた。この日、実現した“尾崎豊ソング対決”にはそのChageも胸を熱くしたようだ。
西川貴教は番組放送後に『西川貴教(TMR15) ツイッター』で、尾崎豊の楽曲を歌う話をもらった時に「こんなにも長く多くの方に愛されている曲を僕などが歌うべきでないと悩みました」と明かしている。「世代だからこそ原曲への尊敬を込め、出来るだけ素直に歌ったつもりです」との思いで彼もパフォーマンスした。
西川と組んで『OH MY LITTLE GIRL』をピアノ演奏するのは乃木坂46の生田絵梨花だ。彼女は乃木坂46の楽曲でもピアノを披露しており、2011年には第21回日本クラシック音楽コンクール(日本クラシック音楽協会)のピアノ部門に入選した実力者である。さらには『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』のピアノ対決でスタジオ独特の緊張感も体験済みだ。
一方、川畑要と組み『I LOVE YOU』でピアノを務める舞祭組の千賀健永は、同番組で川畑とスキマスイッチの『奏』を披露した時に初めてピアノに挑戦した。まだ初心者の彼は、今回の本番前に1週間みっちり練習したが、「今までより全然難しい」、「“できないっしょ”っていうのがどこかにある。でもやんなきゃ」という状況である。
ただ、練習する彼を激励にきた川畑が「尾崎豊さんが大好き。今でもライブ前に聴くことがあるから、その想いは負けたくない」と伝えると、千賀も「メラメラなんですよ! 生田さんに、ライバル心が…」と燃えていた。
本番では川畑・千賀チームが先攻となり、緊張した千賀の様子にスタジオの空気も張り詰める。上手いとは言えないながらも集中して鍵盤を弾く千賀を、大きく包み込んで元気づけるように川畑が歌う。歌い終えた彼は、弾き終えて鍵盤に顔を埋める千賀の肩を抱いて健闘を称えた。
共演者から「千ちゃん頑張ったよ、凄い!」「いいよ、千ちゃん!」と歓声があがる中で、ひな壇では指原莉乃や保田圭が涙ながらに感動しており、MAXも「感動した! カッコよかった! あの頑張り!!」と泣きながら「ホントの涙だよ」と笑顔を見せた。
川畑は「ハートで僕らを届けるっていうのを決めていたので、それは伝えることができたのかな」と感想を語り、「千賀くんの頑張りにみなさんも拍手を…」と改めて相方を称えた。「精一杯頑張りました。少し間違えちゃったりしましたが、でも、僕のI LOVE YOUは弾けたかと思います」という千賀を、「たぶん、今後の彼の音楽活動においてはすごく…。辛い時にこれを思い出せば乗り越えられると思う」とChageも応援する。
スタジオ中を感動の渦に巻き込んだ彼らの後で、『OH MY LITTLE GIRL』をパフォーマンスせねばならない西川貴教と生田絵梨花チーム。2人のすぐ後ろにいる観客たちが囁く「震えてる…」などの声が全部聞こえるので、「一緒に飲み込まれそうでしたね」と西川は明かす。しかし、本番ではその西川貴教が尾崎豊への並々ならぬ敬愛を込めて熱唱すれば、生田絵梨花も落ち着いて安心感のある演奏を披露した。
そのパフォーマンスは中居正広が「これやばい!」「生田さん、びっくりするわ! やばいね、君!」と叫んだほどだ。西川も「素晴らしいでしょ! ここのフレーズは強く歌いたい、優しく歌いたいという時に、ちゃんと息を一緒に吸わせてくれる。ものすごく歌いやすいです」と絶賛している。
両チームのうちどちらが良かったかを観客が判定するのだが、その前に中居は「頑張ったでしょう対決じゃないからね! ちゃんと、エンタテインメントとして聴くことができたか魅了できたか…」と念を押した。その結果は“75×96”で川畑・千賀チームに軍配が上がった。
千賀は感激のあまり川畑に抱きついてしばらく言葉が出なかった。やがて「絶対、ダメかと思った! マジで…」と目頭を押さえながら「ああ、ホントにありがとうございます」と感謝すると、西川と生田に「勝ってすいません」と頭を下げるので2人も笑っていた。
中居が「西川君、これは難しい。感動のルーツが違うから」と声をかけると、西川も「この頑張りを見せられたらね。もう、そうなっても仕方ないかなという気持ちにはなっていた」と明かしている。
「絶対にCD買うならこっち(西川・生田)」と中居正広が言うように、音楽的な完成度としては西川貴教・生田絵梨花チームの『OH MY LITTLE GIRL』が評価されるだろう。ただ、この時の川畑要・千賀健永による『I LOVE YOU』はまさにハートで観客の胸を打った。エンタテインメントを追求する『UTAGE!』ならではの展開となったのだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)